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カテゴリー「文化・芸術」の記事

2017年10月24日 (火)

芸術祭 十月大歌舞伎

玉三郎様目当てに、歌舞伎座へ足を運んできました。
桟敷席の二階で、ちょっと優雅な気分で鑑賞。お弁当もゆったり広げられるし、と気合を入れて、劇場前の「辨松」へ寄ったら、なんと私の目の前ですべてのお弁当が売り切れるという不測の事態…(でも、仕方なく木挽町広場で買ったちらし寿司も美味しかったです)。

171024kabukiza1油断したら、裄の短いお下がり着物の袖口からずぼっと私の長い腕がのぞいてしまいました…

夜の部の演目は

「沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)」
「漢人韓文手管始(かんじんかんもんてくだのはじまり)~唐人話」
「秋の色種(あきのいろくさ)」

坪内逍遥作、豊臣家滅亡を題材にした「沓手鳥~」。玉三郎様は失意のうちに正気を失っていく淀君の役。秀頼を凛々しく演じるのは七之助丈。
ついつい、昨年ハマっていた大河ドラマ「真田丸」のキャストが脳裏に甦る(笑)
大向こうがほとんどかからない台詞劇の中で、若手の役者さんたちの真情のこもった熱演ぶりが印象的でした。

「唐人話」は長崎の遊郭が舞台で、朝鮮使節団をめぐる事件が題材となっており、異国情緒たっぷりの華やかさが楽しい演目。

そして、前評判を耳にして一番期待していた舞踊「秋の色種」。
まず、幕が開いた瞬間に、浅葱色の背景一面に秋の草花が繊細に咲き乱れる、舞台美術の見事さにため息が出て、別世界に連れて行かれました。

梅枝、児太郎と若手の女形と並び立ち、がらりと印象を変える衣装替えもあって、美しさも存在感も圧倒的な玉三郎様…
正直、最初の演目では台詞の声量に、若干の疲れを感じてしまったのですが、舞踊での輝きはやっぱり絶対的!
「65歳以上の肺炎予防」のキャンペーンに出ている人とは信じられませんでした(笑)

音楽が美しすぎて振付は難しいと言われたそうですが、若手の二人が、途中でかなりの時間、琴の演奏を聴かせてくれたのも素敵な趣向で、拍手喝さいが沸き起こっていました。

音に関していえば、「「沓手鳥~」では、ディズニーランドのカリブの海賊のように終始、大砲の音がズドーンズドーンと鳴り響く中のお芝居だったし、「唐人話」では銅鑼や鐘の音が賑やかで、今月はいつもの歌舞伎座ではなかなか聞けない効果音をたくさん耳にして面白かったです。

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幼稚園から帰った息子を迎えて子守りを実家の親に託して、と慌ただしかったですが、一昨日の無念を晴らすべく着物で出かけました。
レース襟のTシャツ半襦袢「ふぁんじゅ」と半幅帯で着付け時間はぐっと短縮。
大叔母が遺した薄紫の紬と、蝶の模様が浮き出た華やかな羽織。今どき流行りの羽織に比べると丈が短く、いかにも昭和な雰囲気ですが、着ていて気持ちが華やぎました。大切に着ていきたいです。

2017年10月22日 (日)

通し狂言 霊験亀山鉾

着物友達をお誘いして、国立劇場の「霊験亀山鉾-亀山の仇討-」レクチャー付公演を鑑賞してきました。

チケットを予約した時点では、この日が衆院選の投票日になるとは思いもせず…

ましてや、台風21号が迫りくるとは予想も出来ず…

想定外の連続でしたが、来ちゃったものはしかたない。前日、大混雑の期日前投票に傘をさして並び、当日は涙をのんで着物で出かけるのを断念、そぼ降る雨の中を劇場へ。

江戸文化研究者の森山暁子さんによる事前解説レクチャーで、鶴屋南北がこの作品を書いた時代背景や、モデルとなった史実のあらまし、仇討の基礎知識など、興味深い予習をしてからの鑑賞となりました。
プランに含まれていたお弁当は築地青木さん。充実の内容で美味しかったです。171022kokuritu
この芝居の題材となっている、実際の「亀山の仇討」というのは、父と兄の仇を討つのになんと29年もかかったというから驚きです。
そして、忠臣蔵のイメージから、仇討といえば「討つ側」が主役、という印象が強いですが、この「霊験亀山鉾」は「討たれる側」、つまり恨みをかうほどの悪いやつが物語の主軸なのです。

「色気も備えた極悪非道」を片岡仁左衛門が演じるとなれば、それだけでファンとしてはもう、たまりません。
次々に現れる討手を、卑怯な手段で容赦なく返り討ちにしていく悪の華の凄み。
天下一品の色悪、仁左衛門さまのカッコ良さを、通し狂言でじっくり、たっぷり堪能しました。

舞台上も、雨の場面で本水が使われたり、、燃える火の中から主人公が飛び出てきたり、陰惨な殺しが続くのに、全般の印象はとにかく「面白かった!」
贅沢なエンターテイメントで、本当に楽しかったです。

今回は一人で二役を演じ、途中鮮やかな早変わりで客席を沸かせた仁左衛門さま。
ただ、「瓜二つの二人の男」という設定が、予想よりあっさりした扱いだったなぁと思ったら、実は今世紀に入ってからの再演時に考案されたものなのだとか。

伝統芸能といっても型を受け継ぐだけではなく、役者を活かし、面白く見せるための工夫が時代ごとに繰り返されているのだなぁと実感しました。
この演目自体、長年途絶えていたものが復活上演されたもの。本来、イリュージョンもスペクタクルも古来から舞台上に展開していた歌舞伎ですから、現代を生きる役者の魅力に合わせて、いろいろな演目をもっと掘り起こしてほしいものです。

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幕切れではついに仇討が果たされて(とどめをさすのはなんと、女性と子どもです)、死屍累々の物語が終ります。
(自分が演じるのは)もう、今回が最後かな…?というコメントもされていた仁左衛門さまの健康を切に願いつつ、惜しみない拍手を送ったのでした。

2017年9月20日 (水)

デパートでアート

空調完備、食事も買物も出来て、疲れたら休む場所には事欠かない…という訳で、夏場のデパートは私にとっての理想郷(笑)

この夏、催事場で行われた展覧会を観に、あちらこちらのデパートに足を運んだ記録です。

◎8月16日 おさるのジョージ展~「ひとまねこざる」からアニメーションまで (松屋銀座)

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わが家が親子二代にわたって大好きな絵本「ひとまねこざる」シリーズ。毎週土曜日の朝も、朝食後にEテレで「おさるのジョージ」を見るのが慣例です。

でも、作者であるレイ夫妻が、ユダヤ人であったためにナチスからの逃避行を余儀なくされて、必死に守り抜いて持ち出したのがジョージの絵本の原稿だった、という秘話は知りませんでした。
絵本原画やアニメーションの絵コンテの他、実際の逃亡時に夫妻が持っていた書類や手紙なども目にすることが出来ました。
本当に、平和は大切。

8月は、展覧会と連動して、NHKでもレイ夫妻やジョージの特集番組が放映され、ひとまねこざるファンにとっては楽しかったです。

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会場にあった写真撮影コーナー。せっかく、撮影係のスタッフも常駐していたのに、この頃スマホに興味津々の息子が「じぶんでうつす!」と強硬に主張し…謎のツーショット写真が完成したという(汗)

◎9月3日 MINIATURE LIFE展~田中達也 見立ての世界 (新宿髙島屋)

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朝ドラ「ひよっこ」のオープニングで、タイトルバックを担当しているミニチュア写真家、田中達也さんの作品展。

本来の活動は、インターネット上に写真を発表するのがメインとのことですが、会場では写真の他に、実際にミニチュアを並べた作品を見ることも出来ました。

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色とりどりのターンクリップを、キャンプ場のテントに見立てた作品の写真と、その実物。

クスっと笑ってしまうユーモアと遊び心は、作品世界の中だけでなく、タイトルにも存分に発揮されていて、一つひとつ見ていくのがとっても楽しかったです。

ちなみに、この作品のタイトルは…

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「収納下手な食器棚の奥にある世界遺産」

うーん、わが家の食器棚でも、この状況,、時々見られるかもしれないです(笑)

ジオラマ用のミニチュア人形というのが、様々なサイズで多様な姿かたちで作られ販売されている、という事実にもびっくりでした。
生活の中で、自分でもいつも目にしている物たちが、アイデア一つで全然違う様子に変身してしまう「見立て」の面白さを堪能しました。

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私が一番気に入った、というか「これは思いつきませんでした…」と感服したのがこの作品。
見ている側も、たくさん想像力を刺激されて、頭が柔らかくなった思いで会場を後にしました。

◎9月20日 美しき氷上の妖精 浅田真央展 (日本橋髙島屋)

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かつて長く勤めていた職場が近かったこともあって、今でも大好きなデパートの一つ、日本橋髙島屋。
ウィンドウも真央ちゃん一色だったのを目にした瞬間から、胸が高鳴りました!

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正面玄関から入ると、いきなりこの巨大ポスター、ソチ五輪フリーの等身大決めポーズ、大きなモニターでは真央ちゃんのDVDが延々流されているという、ここだけでしばらく足を止めざるを得ない状況が…!(実際人だかりが出来ていた)

ちなみに、流れていたのは2011年全日本選手権のフリー「愛の夢」。
お母様を亡くされた直後の、背中を大きく開けた衣装が痛々しいほど痩せていた真央ちゃんが、演技後に天を見上げて笑顔で小さく頷く姿…
この時、大阪まで見に行ってマスクがぐしょぐしょになるまで泣いたなぁ、と思い出してまた、涙が…

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そんな暑苦しいテンションで向かった会場でしたが、中に入ると同じ様に目頭を熱くしている人がたくさんいました~、ご同類!(笑)

出場したオリンピックの衣装はすべて展示されていましたし、バンクーバー五輪の銀メダルも、世界選手権のたくさんのメダルもずらりと並んでいて、充実の内容で大満足でした。

ずっと見続けているファンにとっては、もどかしかったり苦しかったり切なかったり、そんな思いもたくさん味わった歳月…
でも、本当に真央ちゃんと同じ時代に生きて、選手生活をリアルタイムで伴走できたことは幸せだったと、改めて思った次第です。

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セーヴ・ザ・チルドレンへのチャリティーでもあるグッズがまた、秀逸!
歴代の衣装イラストの再限度の高さと愛らしさに、クリアファイルとショッピングバッグを購入してしまいました。

2017年9月13日 (水)

九月文楽公演 玉藻前曦袂

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国立劇場で、文楽九月公演夜の部「玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)」を鑑賞してきました。

東京では43年ぶりに上演される場面もあるということで、満員御礼の札がかかる場内も熱気が満ちていました。

物語は、インド、中国、日本の三国を股にかけて、国家転覆を図る怪物「金毛九尾の狐」が暗躍する、というもの。

帝の寵愛を受ける美しい玉藻前を食い殺し(!)その姿に化ける妖狐。
その体からは怪しい光が放たれる…というのが、絶対読めない、書けない、難読漢字の題名の由来です。
現代文明の力で(笑)舞台上でもピカーっとお人形が光っていましたが、昔はロウソクの灯でもかざしていたのだろうか…

悪い狐を退治できるか?というわかりやすい主題で、一大スペクタクルが繰り広げられる面白い演目でした。
狐の他にも、死装束をまとった姉妹が、負けた方が死ぬという約束で双六の勝負をするという、タランティーノが見たら大喜びで映画化しそうなシチュエーションがあったり、どの段もいちいち濃くて、見ごたえたっぷり。
夢中で観ているうちに、4時間があっという間に経ってしまった、という感じでした。

特設サイトにも紹介されていますが、しめくくりは、国立劇場では昭和49年以来の「化粧殺生石」という一幕。
イヤホン解説では「宝塚のグランド・フィナーレのような」と形容していましたが、物語のあらすじとは離れて、七化けと呼ばれる人形の早変わりを、三味線太夫5名ずつの熱演と共に見せてもらいました。文字通りのボリュームたっぷり、でイヤホン解説の声がかき消されるほどでした。

この、次から次へと人形を変え、ご自身の裃まで早変わりする七変化も凄かったし、物語の中で繰り返される、妖狐が玉藻前に(あるいは逆に)瞬時に変わる瞬間というのが、もう…
どんなに目を凝らしても魔法にしか思えない、本当のメタモルフォーゼとしか言いようのない驚きで、今回の公演は私にとっては、人形の桐竹勘十郎さんにつきる、という感じでした。

息子と毎日観ているEテレ「にほんごであそぼ」では、犬やタヌキの人形(手作りだそうです)を自在にあやつり、イソップ物語や昔ばなしを楽しく見せてくれる勘十郎さん。
同じ動物でも迫力が別レベルでした。
技術、体力、様々な要素の充実がかみ合ってこそ、演じられるのが肉体の芸術なわけで、この機に劇場に足を運べて本当に良かったです。

2017年8月26日 (土)

髑髏城の七人 Season鳥

劇団旗揚げから三十数年が経っているとのことですが、私には今に至るまでご縁がなかった(正直、食わず嫌いもあった)、劇団☆新感線の舞台。

とはいえ、凄いんだ!必見なんだ!という評判は、長年にわたって周囲にこだましていた訳で…
冥途の土産に一度は足を運びたいものだ、と思っていましたら、話題の舞台「髑髏城の七人」を鑑賞する機会が巡ってきました。

ニュースの現場にもなっている豊洲、ウォーターフロントの吹きっさらしに、こんな風に劇場「ステージアラウンド東京」が佇んでいます。

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人気作、話題の公演だけあって、先に足を運んでいたお友達も多く、絶賛の声とあわせ
「劇場のまわりは、本当になんにもないから!」
という情報をもらっていたので助かりました(しかし想像以上だった…人の気配のない豊洲市場の建物も、何だか異様な雰囲気でした…)。

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花鳥風月、バージョン違いの出演者と演出で、円形の客席を360度舞台が取り囲むという、斬新な上演スタイル。
ファンでなくとも、お祭り騒ぎのワクワク感が高まります。
友人に誘われて足を運んだのは、第二弾となる「鳥」公演。阿部サダヲ、森山未來、早乙女太一、松雪泰子などが主なキャストです。

初めての出会いというのは後にも先にもないのだから、こうなったら中途半端な予備知識はナシで、真っ白な状態で体感しよう!と決め、あらすじも何も知らない状態で鑑賞。

事前情報を入れなさ過ぎて、「客席が動くステージアラウンド」の意味を全然理解しておらず、上演開始後に“ゴトンッ”とイスが動くのに驚いてしまったのは、お恥ずかしい限りでした(汗)
客席の方が回っていくことで、舞台装置の転換を待つ必要もなく、移り変わる場面を次々に楽しめる斬新な劇場だったわけで。

暗転の間も絶え間なく動き回る俳優たちと、プロジェクションマッピングの演出もあり、ノンストップで観ている側もストーリーを共に駆けていく感じで…
なるほどこの手があったのか、と興奮しました。

この人物が実はこういう人でした、この出来事は実はこういうことでした、と、繰り返されるどんでん返しの一つひとつに、心地良く驚かされ、物語の世界にぐいぐいと引き込まれ。

メインキャストはもちろん、池田成志や梶原善ら、脇を固める舞台役者がさすがの手腕で、笑って泣いて、鳥肌が立って。
躍動する身体の放つ魅力ってすごいな、と改めて演劇の魅力を感じました。

興奮の極みでさらに追い討ちをかけられたのが、終演時のカーテンコール。
それぞれの役者が、各々の見せ場の舞台装置を背景に、観客の拍手を受けるのです。

役者が次々に登場してくるのではなく、観客の方がそれぞれの名場面を回転して巡りながら追想していくわけで、映画のエンドクレジットならともかく、通常の舞台では絶対に不可能なこと。

一切の余白をなくしたサービス精神で、これでもか!というほど楽しませてくれるこってり感の気持良さは、病みつきになるのもよくわかります。

初演から20年以上、新しいキャストで趣向を変えて上演され続け、その都度観客を魅了しているという「髑髏城の七人」。よく考えたら、このスタイルは日本の伝統芸能そのままで、「いのうえ歌舞伎」とはよくぞ言った。

新しく、魅力的な世界の扉を開けることが出来て、同行者と「なんと価値あるお金の使い方!」と大満足で家路に着いたのでした。

2017年8月 8日 (火)

大相撲夏巡業~渋谷青山学院場所

空前のブームで、国技館のチケットがなかなか取れない大相撲。
本場所が無理なら巡業に行けばいいじゃない…とアントワネット様のようなことをひらめいて、8月8日、家族で「渋谷青山学院場所」を見に行ってきました。

風向きのせいでのぼりの文字が裏返ってしまい痛恨の写真…

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青山学院記念館(体育館)に向かうと、R246には寄せ太鼓の音色が響いており、否応なく気持が高揚します。
学食も券売機はクローズで、ちゃんこのついた特別メニューのみ。
その上パーテーションで区切られた一角が力士用の食事処になっていて、関取がトレイに並んだランチを召し上がっている様子を窓越しにチラ見出来てしまうなど、蔦のからまるチャペルで有名なキャンパスが、この日ばかりは相撲一色、でした。

170808sumo4チケットと併せて申し込んだ特製弁当の中身はこんな感じ。コロンバン製の記念クッキーは日付入りの特製缶に入っていました。

巡業は、朝から行けば幕下の稽古と並行して行われる関取との握手会なども参加できると聞いて通勤ラッシュに揉まれて出かけました。
その甲斐があり、握手させていただいたり(その手の平の分厚いことといったら…)息子を抱き上げていただいたり、本場所では有り得ないほど身近に触れ合うことが出来て、有頂天の時間を過ごしました。

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お相撲さんは、格の上下に関わらず皆さん子どもに温かく、「気は優しくて力持ち」という言葉がぴったり。大きな身体に圧倒されながら(…トトロ感、ハンパない!)と失礼な思いが頭をよぎる(笑)

しかし、土俵の上ではその身一つで、目の前の相手を倒すことに賭けているのが力士。
そのことがひしひしと伝わって来たのが、取組み前の激しい稽古でした。

黒いまわしをつけた幕下の稽古から、白いまわしの関取へと順を追って猛稽古が続けられます。
終盤、息を吞むほどの迫力で延々と続けられたのが、若手の注目力士、阿武咲に白鵬が胸を貸したぶつかり稽古。
跳ね返されて、土俵に転がる阿武咲を足蹴にしながら、鼓舞するように観客の拍手をうながし、何度もなんども向かって来させる横綱のラスボスぶりと言ったら…

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稽古が進むにつれ、疲れて朦朧としてきたのか、すぐには立ち上がれない阿武咲の髷を、片手でつかんで引っ張り上げるのには啞然としてしまいました。
全身が土俵の砂にまみれ、しまいには髷もほどけてざんばら髪になった阿武咲…
その姿は、立派なお相撲さんから異形の何かに変身してしまったようで。

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(↑こちらの写真は日本相撲協会のTwitterから拝借)
テレビで見る土俵の数分、数十秒の陰に、ここまで厳しい時間の積み重ねがあったか…と、強烈な印象が残りました。

稽古がお昼で終わった後、土俵上ではちびっ子相撲やら、相撲甚句、初切、呼び出しさんによる櫓太鼓の打ち分け実演など、巡業ではお約束のあれこれが披露されました。
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正直なところ、取組そのものは「怪我のないようご安全に」という空気が感じられないでもなかったですが、土俵入りも三役揃い踏みも弓取り式も見る事が出来て、感激でした。
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嘉風―琴奨菊の取組。いわゆる「琴バウアー」もこの目で見られました(イナバウアーは体を反らすことじゃなくて、足の形のことなんだけどね…と一言付け加えずにはいられませんが)。

相撲甚句の終盤に
「我々が発った後も、お家繁盛、街繁盛、悪い病が流行りませんよう…」
という意の一節がありました。
初めて見た巡業は、大相撲はやっぱり、勧進興行という起源に根ざしていることを実感させられるものでもありました。

かつて大騒ぎになった不祥事の数々も、そういう視点から捉えると腑に落ちるし、そんなことまるでなかったかのように人気が再沸騰していることも、そりゃそうだよ、やっぱり相撲って楽しいもの…と、深く納得した次第。 

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一期一会の移動遊園地のような祝祭空間。
弓取り式を見届けて帰路につくと、チャペルのあるキャンパスの中庭ではすでに、次の巡業先へ向けての移動準備が着々と進められ、幕下のお相撲さんたちが忙しく立ち働いておられました。

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朝のうちは、威圧されたかモジモジしてしまい、逆に関取から大きな手で頬を撫でてもらっていた息子(せっかくの心遣いも“痛かった…”とオカンムリ)。
帰り道ではすっかり気が大きくなって、駅へ向かう道で浴衣姿を見つけると、駆け寄って自分から握手を求めるほどになっていました。

ただよう鬢付け油の香りは「おすもうさんはくすぐったいにおいがする」とのことでした。貴重な体験、ずっと覚えてくれていたらいいと思います。

2017年6月 3日 (土)

大英自然史博物館展

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この春の上野界隈は、観に行きたい展覧会があれもこれもとあったのですが、足を運べたのは「バベルの塔展」とこちら、国立科学博物館の「大英自然史博物館展」。

初来日という始祖鳥の化石をはじめ、巨鳥モアの骨格標本やらエジプトで見つかったという猫のミイラやら、貴重な展示の数々に、世界は不思議に満ちている…とワクワクしながら鑑賞しました。

170603ueno2館内の展示物はほとんどが撮影OKでした。
息子には、学術標本よりはモニターに映し出されていたCGアニメ(夜、誰もいない大英博物館の中を、生き返ったモアや魚竜が動き回るという、よく出来た短編)がウケており、おかげで大人はじっくり好奇心を満たすことが出来ました。

常設展にも興味津々だったのですが、さすがに4歳児の気力体力に限界が来て、「地球館」のみ鑑賞。しかし、巨大空間にぎっしり佇む剥製たちを観られただけでも十分、満足でした。

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このコレクション、元々は個人のものだった、というのが一番のびっくりポイントだったりする…人間の探求心ってすごいなあ。

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二階建てになっていて、足元の床から剥製さんを見下ろすことも出来ます。前から一度来たいと思っていたスポット、次はゆっくり常設展を観て回ろう…と思いました。

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この少し前、幼稚園の遠足で訪れた「八景島シーパラダイス」。剥製も標本も凄いけど、生き物の命が躍動する様子もやっぱり、感動的です。

2017年5月21日 (日)

氷艶2017「破沙羅」

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歌舞伎とフィギュアスケートが融合するという「氷艶」公演のニュースを初めて目にした時、自分にとっての大好物2つがまさかの融合!という現実に、うれしさよりも驚きが先行してしまった私。

最初、なんとなく頭の中に思い描いたのは、リンクの中に舞台を作って、歌舞伎舞踊とスケートを同時にやったりするのかな…というイメージ。
チケットは早々に入手したものの、神話の世界と歌舞伎の登場人物が一つの世界で戦いを繰り広げる、というあらすじもまったくピンと来ず…
「“和”っぽい感じにまとめてみました~」的な、中途半端なアイスショーだったらイタイなぁ、という心配が拭えませんでした。

それが、どうやら前代未聞の何かを目にすることになるかもしれない、という予感に変わったのは、公演一ヶ月前くらい。
SNS等から伝わってくる情報で「歌舞伎側の出演者が、深夜のリンクでスケートの練習に励んでいる」ということを知ってからです。

期待に胸を膨らませながら、迎えた当日。昼の部を観るのに先立ち、原宿のレフェクトワールでブランチをいただきました。

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京都のル・プチメック運営のお店。絶品のあんトーストでしっかり腹ごしらえをして、いざ代々木第一体育館へ!

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ジリジリと夏のような日射しが照りつける中、袷の訪問着に身を包んだご一行と、防寒具を入れた大きなバッグを持ち歩く人々…
会場周辺からしてすでに「歌舞伎×アイスショー」の融合そのものだったという(笑)

そして、リンクサイドに座った私の目の前に、その後繰り広げられた光景は…
確かにたしかに、「想像も限界も、あざやかに 超えていく」のキャッチコピーにウソはありませんでした。
氷上を見つめていた視線の遥か上、空中から荒川さんが浮かんで登場したオープニングから、度肝を抜かれっぱなし、血が沸き立ちっぱなし!

スケートファンのツボを押さえた配役、演出にも大満足でしたが(やっぱり大ちゃんのペアのお相手はアッコちゃんが最強、とか)、特筆すべきはやはり、自分達の芸をがっつりアイスショーの世界に寄せてきた歌舞伎役者の奮闘ぶりで…

スケート靴で六方、踏むの?踏んじゃうの?ホントにやったー!
スケート靴で毛振り、振るの?振っちゃうの?ホントにやったー!

…一事が万事この調子。
易々と、こちらの拵えた限界を上回ってくる演者さん達を観ていて、どれほどの努力が費やされたのか…(しかも公演はたったの三日間…)と、心底感動いたしました。

現役時代にジャンプが不得手で、成績は伸ばせなかったスケーターの面々が、伸び伸びといきいきと、氷上で役を表現している姿に、ここには回転不足もエッジエラーも関係ないよね、思いっきり楽しく滑っていい場所なんだね…と、じわり胸が熱くなりました。

DRUM TAOの和太鼓演奏も大迫力で、重低音が響く中でのクライマックスの大立ち回りは、「マッドマックス怒りのデスロード」級の興奮が。
その後、幕切れへのなだれ込み方は一転して歌舞伎の様式美。

以前から様々な形で思い知らされていたことではありましたが、どんな新しいものを取り込んでもしっかり歌舞伎の世界にまとまってしまう、伝統芸ならではの懐の深さを再発見しました。
何だか、すごいモノの誕生に立ち会ってしまったぞ、という興奮と共に帰路についたのでした。

★8月27日(日)にNHK・BSプレミアムで放映があるそうです!全国の、たくさんの人達に観ていただきたかったのでこれは朗報!

2017年5月 6日 (土)

「バベルの塔」展

夫の職場は9連休、でも息子の幼稚園はカレンダー通り…ということで、遠出の旅に出るわけでもなく、のんびり過ごした今年のゴールデンウィーク。

お天気にも恵まれた憲法記念日は、家族で上野へ出かけました。

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夫と私のお目当ては、前売り券を買って楽しみにしていたブリューゲル「バベルの塔」展

上野駅は展覧会に併せてこれでもか、のバベル推し。飲食店の「バベル盛り」コラボ企画にも若干、そそられましたが、せっかくの五月晴れだったので上野公園でサンドイッチ等を広げました。
この時期ならでは、の気持ち良いランチで腹ごしらえの後、交代で息子の子守りをしながら東京都美術館へ。

当日は、公園の噴水広場前で「子どもブックフェスティバル」が開催中なのを事前にチェック済。本当に助かった(笑)
絵本作家の方々が直々に読み聞かせやおはなし会を開催しているコーナーもあり、息子は息子で存分に楽しんでいました。

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…当然、手ぶらでは帰れるはずもなく、新幹線の絵本を買わされることにはなりましたが…(交通新聞社のブースでは、電車の運転手さんの帽子をかぶれるサービスあり)

オランダのボイマンス美術館からやって来た、ブリューゲルや同時代の作品を観られる今回の展覧会。
ぶっ飛んだ奇想の版画に登場するモンスター(キモカワイイ、の元祖か?)たちが都美術館の回廊を彩っていました。

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一番左、「大きな魚は小さな魚を食う」という諺を元にした版画に登場する愛らしい魚人さんは、ゆるキャラ化して展覧会の公式マスコットとなっていました。

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…特に感想はないです

展覧会の主役である「バベルの塔」。

どれほどスケールの大きな構図(高さ推定500m超!)に、どれほどの情報(塔を取り巻く情景、建築機材や働く人々など)が詰め込まれているか…絵にまつわるたくさんの解説を目にした後で、やっと実物と対峙すると

「それだけのことを、こんな小さな絵の中でやってのけたの!?」

…と、ひたすらブリューゲルの凄まじい超絶技巧に感服するしかありませんでした。

近くに展示されていた、300%の拡大再現図との間を3往復したものの、目がチカチカして実物の細かすぎるディテールを捉えきれなかった、視力の衰えが情けなし。

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こちらは上野駅構内に展示してあった、東京大学レゴ部作成のレゴブロック製バベルの塔。

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2Dの絵画では不可能な「上からのぞき込んで見る」という楽しみ方も出来て、こちらも大変な見応えがありました。

天に届くほどの塔を作ろう、という人間の傲慢さに神が罰を下し、お互いの言葉を通じなくさせてしまったため、塔の建築は頓挫した…という、旧約聖書の物語がモチーフになっている「バベルの塔」。

でも、緻密な絵の世界にぐーっと入り込んで、石灰の粉まみれになり、重いレンガを巻き上げ機で運ぶ所業の一つひとつを見ていくと、ひたむきに目標に向けて頑張っている人々にむしろ愛着が湧いてきて。
これを、身の程知らずの傲慢だと断じて鉄槌を下すとは、神さまもなんと残酷な…と、そんな風に思えてきてなりませんでした。

さて、連休中のもう一つのお出かけイベントは、こどもの日に行った幕張メッセの「プラレール博」。

親子連れで大盛況の会場で、興奮のあまり制御不能になる息子を追い回すのにかなりのエネルギーを使いましたが、これでもか!と広げられつなげられたプラレールの膨大な量に圧倒されました。

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いずれにしても人の手ってすごい、ということを実感させられた日々でありました…

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タ〇ラトミーのマーケティングに次々と調略されている息子(涙)
他の子どもたちは静かに見ているキャラクターのプロモVTRの前で、延々ロボットになりきって謎のアクションを繰り返しておりました…親子で異世界に没入したG.W.であった(笑)

2017年2月22日 (水)

ティツィアーノとヴェネツィア派展

友達からの嬉しいお声がけで、久しぶりに上野の東京都美術館へ足を運んで来ました。

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お目当の展覧会は「ティツィアーノとヴェネツィア派展」。

鑑賞の前に、久しぶりの再会を祝して、美術館内のレストラン「IVORY」でランチを。
優雅な静けさと明るい清潔感のある空間で、ゆったりとおしゃべりも食事も楽しむことが出来ました。
メインに選んだ舌平目も、ブランチコースに追加オーダーしたデザートのモンブラン(レモン風味!)も、美味しいねえ…と二人してしみじみ、声に出さずにはいられませんでした(笑)

約1年ぶりの再会で、話は尽きることがなかったのですが、今日の目的を忘れちゃいけない、と展示室へ。

15~16世紀のヴェネツィアの円熟期に描かれた絵画の数々。
期間と地域を限定して、主題ごとに整理された展示内容だったので、同時代の画家たちの中でいかにティツィアーノの画力が群を抜いていたか…
「画家の王」と呼ばれるに至ったその凄さが、素人目にもよく伝わってきました。

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館内に掲示してあったのを読んだらとても充実した内容で、係の方にお願いして分けていただいたジュニアガイド。
「本来はお子様のみの配布ですが、部数に余裕がありますので…」とのコメント付でいただきました。

思えば、都美術館は去年春の若冲展を観に来て以来。
美術館前に出来た長蛇の列に、熱中症対策の給水所まで出来ていた状況を思い出すと、なんと今回は贅沢に絵と向きあえたことか(苦笑)

若冲展で思い出すこと。行列に並んでいた時に、近くで高齢の男性が体調を崩してしまったようで、館内から係の方が飛んで来るのを目にしました。

用意された車椅子で館内に移動していく際、私たちの横を通り過ぎたので、意識ははっきりしていた男性が

「連絡する家族はおりません。私は一人です」

と、大きな声で受け応えする声が否応なく耳に飛び込んできました。
私は一人です、というその言葉が、何だか胸に刺さってしまって、今でも記憶に残っています。

年を重ねた先に、それは私にも待っている行く末かも知れず。
きれいなものを観に来るのでもとにかく健康第一、体力一番なのだなぁ…と、妙にしみじみしてしまった出来事でした。(でも、美しいものと出会う感動はきっと、寿命を延ばしてくれそうに思います!)