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カテゴリー「着物・和装」の記事

2017年10月29日 (日)

雨の銀ぶら

普段は遠方でなかなかお会い出来ないmayさんが上京されることになり、ぜひデートしましょう!と、当日の着物のコーディネートを楽しみに考えていました。

ところが、約束の週末に無情の台風襲来…
予報を見ると、前の週に比べたら直撃ではなさそうだったので、雨に強そうな弓浜絣を着て出かけることにしました。
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合わせた名古屋帯は、着付けを習い始めた頃に夫がプレゼントしてくれた(一見、そうは見えないけれど)大島紬です。

宿泊先の赤坂で待ち合わせた時には、ざあざわ降りの雨になっていました。
超・方向音痴で、電車もしょっちゅう乗り間違える私が案内役という申し訳なさに緊張しながら、少しでも地上を歩かずに済むよう、東京メトロを乗り倒し、目指したのは銀座。

お天気さえよければ、銀座の栁を愛でながらのんびり散歩を楽しみたいところでしたが、そうもいかず…
着物のお店を見て回って、あれこれ美しい商品を見せていただき、目の保養をした後は、とりあえず一番近くにあったコージーコーナーの喫茶スペースで休憩しました。(一応、銀座の名店には違いないし)

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悩んだ末に選んだシャインマスカットのパフェには、ハロウィンのマスコットが小さく飾ってありました。

甘い果汁でエネルギーを補充し、近況報告に花を咲かせた後、そろそろ次の目的地へ…と外を見たら、なんと、行き交う人が傘をたたんで歩いているではありませんか。

一時的に雨が上がったことがわかって、それなら!と、少しだけ歩行者天国の雰囲気も味わうことが出来ました。

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人の姿も、いつもに比べてぐっと少ない四丁目交差点。和光の時計が5時を告げるやいなや、警官の笛の音が鳴り響き、あっという間に車が走り始めました。

その後、再びパラつき始めた雨の中、伺ったのは「銀座もとじ」。
最初、間違えて小さな大島紬専門店の方へ行ってしまったのですが、おかげで実際に機織りをされている様子を見学することが出来ました。
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店内の鏡に映る、雨コート姿の私たち(笑)撮影どんどんしてください、SNSでのシェアも大歓迎です、とスタッフの方から快く許可をいただきました。

mayさんとはその昔、松阪木綿の機織り体験をご一緒したこともあるのですが、さすがに糸の細さが違う!と職人技に驚嘆…

その後も江戸小紋の名品をじっくり鑑賞したり、さんざん目の保養をさせていただいて、心は大満足、手は空っぽでお店を後にしました(ごめんなさい)。

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夕食は、乃木坂の「ウエスト青山ガーデン」へご案内。昼間は大行列覚悟のお店も、すでに暗くなったこの時間の店内はとても静かでした。
大好きなサンドイッチとホットケーキをシェア、喜んでいただけてうれしかったです。ロイヤルミルクティーも安定の美味しさでした。

閉店時間の8時まで時間を忘れておしゃべりしてしまい、最後は慌てて食べ終わる羽目になりましたが、着物で訪れる大好きな場所、テンション上がりました。
mayさん、ありがとうございました。

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着物で出かけるようになって十数年、実はまともな雨対策グッズを持っておりませんでした。
この度購入した初めての雨コート。いかにも「昭和」という感じの赤です(笑)リサイクルショップの「たんす屋」で千円でした。
足元は、履き古した下駄にしようかとも思いましたが、思いきってブーツを履いてしまいました。裾を短く着て、さすがの歩きやすさでした!
…が、いずれ撥水加工の足袋と、雨に強いカフェ草履は手に入れないとなぁ…

2017年10月24日 (火)

芸術祭 十月大歌舞伎

玉三郎様目当てに、歌舞伎座へ足を運んできました。
桟敷席の二階で、ちょっと優雅な気分で鑑賞。お弁当もゆったり広げられるし、と気合を入れて、劇場前の「辨松」へ寄ったら、なんと私の目の前ですべてのお弁当が売り切れるという不測の事態…(でも、仕方なく木挽町広場で買ったちらし寿司も美味しかったです)。

171024kabukiza1油断したら、裄の短いお下がり着物の袖口からずぼっと私の長い腕がのぞいてしまいました…

夜の部の演目は

「沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)」
「漢人韓文手管始(かんじんかんもんてくだのはじまり)~唐人話」
「秋の色種(あきのいろくさ)」

坪内逍遥作、豊臣家滅亡を題材にした「沓手鳥~」。玉三郎様は失意のうちに正気を失っていく淀君の役。秀頼を凛々しく演じるのは七之助丈。
ついつい、昨年ハマっていた大河ドラマ「真田丸」のキャストが脳裏に甦る(笑)
大向こうがほとんどかからない台詞劇の中で、若手の役者さんたちの真情のこもった熱演ぶりが印象的でした。

「唐人話」は長崎の遊郭が舞台で、朝鮮使節団をめぐる事件が題材となっており、異国情緒たっぷりの華やかさが楽しい演目。

そして、前評判を耳にして一番期待していた舞踊「秋の色種」。
まず、幕が開いた瞬間に、浅葱色の背景一面に秋の草花が繊細に咲き乱れる、舞台美術の見事さにため息が出て、別世界に連れて行かれました。

梅枝、児太郎と若手の女形と並び立ち、がらりと印象を変える衣装替えもあって、美しさも存在感も圧倒的な玉三郎様…
正直、最初の演目では台詞の声量に、若干の疲れを感じてしまったのですが、舞踊での輝きはやっぱり絶対的!
「65歳以上の肺炎予防」のキャンペーンに出ている人とは信じられませんでした(笑)

音楽が美しすぎて振付は難しいと言われたそうですが、若手の二人が、途中でかなりの時間、琴の演奏を聴かせてくれたのも素敵な趣向で、拍手喝さいが沸き起こっていました。

音に関していえば、「「沓手鳥~」では、ディズニーランドのカリブの海賊のように終始、大砲の音がズドーンズドーンと鳴り響く中のお芝居だったし、「唐人話」では銅鑼や鐘の音が賑やかで、今月はいつもの歌舞伎座ではなかなか聞けない効果音をたくさん耳にして面白かったです。

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幼稚園から帰った息子を迎えて子守りを実家の親に託して、と慌ただしかったですが、一昨日の無念を晴らすべく着物で出かけました。
レース襟のTシャツ半襦袢「ふぁんじゅ」と半幅帯で着付け時間はぐっと短縮。
大叔母が遺した薄紫の紬と、蝶の模様が浮き出た華やかな羽織。今どき流行りの羽織に比べると丈が短く、いかにも昭和な雰囲気ですが、着ていて気持ちが華やぎました。大切に着ていきたいです。

2017年8月 6日 (日)

ゆかた会とSU!TE!KI!展

神楽坂の風情あるうなぎ割烹「志満金」にて、昨年に引き続き、上方舞(山村流)のゆかた会を拝見しました。
軒先では、立派なほおずきの鉢が出迎えてくれました。

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20名を超える社中のお弟子さんが出演されたこの日の会は、師匠・山村若静紀さんの舞で幕開け。
子守りを夫に任せてのお出かけで、生活の営みをしばし忘れ、ゆったりとした時間を過ごせました。

お稽古事や趣味の成果が発表される場に立ち会わせていただく時は、いつも、それぞれの人がコツコツと積み重ねてきた時間の重みを感じます。
目の前の用事に追われているだけでも、あっという間に過ぎてしまう毎日の中から、時間を切り出して精進されることの尊さ。頭が下がります…

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今年は「鶴亀」を舞われた山村若静奈さんと、今年も浴衣でツーショット。若静奈さんは社中の揃いの浴衣、私は、大伯母から譲り受けた絞りの浴衣を初めて着ました。

今月中旬には、国立文楽劇場で大きな舞台を控えているという若静奈さん。
凛とした風格を感じさせる舞で、美しい上にカッコいい!という印象でした。鍛錬の成果で気力、体力共に充実されていることが伝わってきて、本当に素敵でした。

その後、日本橋高島屋で開催中の「SU!TE!KI!展」に寄り道。
黒柳徹子さんと、ビーズ刺繍作家の田川啓二さん。「「ふたりが集めたステキがいっぱい」ということで、お二人のコレクションが所狭しと並べられている、賑やかで華やかで「眼がいくつあっても足りない!」という感じの空間でした。

以前から田川さんのファンで、ビーズ刺繍の一日教室に参加してサインを頂いたこともあった私(笑)
ドレスや額絵など、超絶技巧の数々を間近で、たくさん見られる機会は初めてだったので興奮しました。
アンティーク着物のコレクションも圧巻で、お祖母様の嫁入り支度の目録まで残っているのにはビックリでした。

コレクション展の終盤は「シノワズリ」がテーマ。徹子さんが集めたという宮廷服の、繊細な刺繍の美しかったこと。細かい絵付けの施された食器の愛らしいこと。

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見ているうちに、昼食を食べそびれていたことを思い出し、我慢が出来なくなってB2の鼎泰豊に駆け込んでしまったという…
ランチタイムは大行列のお店に待たずに入れる時間だったことはラッキーで、小籠包も間違いない美味しさでした。

…が、日がな一日美しいものを目にした後で、落ち着く先が食欲でいいのか?自分、という複雑な思いも(笑)

2017年7月13日 (木)

着物とごちそう

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4月の末に「井戸端着物マーケット」で手に入れた、綿麻の新之助上布が仕立て上がりました!
サラっとしてなおかつ、つるんととろみのある感触がひたすら心地よく、感動です。
横糸に使われたレモンイエローの糸が、動きや光によって効果的に色の変化を生み出すのが、着ていてとっても楽しい!よい買い物をしました。

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今年買った下駄の鼻緒と、色合いがピッタリ合っていたのも、とても嬉しい偶然でした。

同様に、今シーズン新之助上布デビュー、という着物友達が数名いたため、葉ごろも着付教室のmiyukiさんとお披露目会ランチを企画。
周囲の目を気にせずおしゃべりに花を咲かせたい、ということで個室にこだわった結果、会場は横浜そごうの「銀座アスター ベルシーヌ横浜」を手配していただきました。

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美味しい中華に舌鼓を打ちつつ、総勢6名でお互いの夏着物を愛で、しゃべり倒して?時間が経過(笑)

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事情により、お店を出た後の集合写真は5名のみとなってしまいましたが…
それぞれに個性があって、汗だくだけど涼しげ、な夏着物はやっぱり我慢の甲斐がある楽しいおしゃれだな、と思いました。

かなりの時間が経過してしまいましたが、備忘録で5月の末に参加したこんなお出かけのことも記録しておきます。

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結城紬の単衣に麻の半幅帯で、モダン着物小物梅屋さん主宰の「着物でリパイユ」というイベントに参加してきました。

170528kimono0横浜・馬車道のフレンチレストラン「リパイユ」にて、着物でランチを楽しみましょう、という趣旨の集いです。

目に美しく舌に美味しい、コース料理の内容はレベルが高くて当然、大満足。
同じくらい、テーブルセッティングのナフキンの愛らしさから、自習を重ねてソムリエの方が着物姿でサーヴィスしてくだるなど、お店の心遣いも堪能しました。
じゃんけん大会では、普段は勝負強さと無縁なのに、梅屋さんのレース半襟を勝ち取ってしまい、我ながらビックリ(嬉)

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後半の馬車道散歩&撮影会には時間の都合で参加出来ませんでしたが、様々な着こなしをお互いチェックしあって楽しいひとときでした。

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馬車道も今年は150年目の節目とか。そぞろ歩きが楽しい街、横浜。なかなかゆったり散策する時間が作れない日々ですが、たまには心の贅沢も必要だなとしみじみ思った昼下がりでした。

2017年4月30日 (日)

お稽古・ワークショップ・キモノショー

気温の移り変わりが激しかった季節の変わり目をくぐり抜け、気がついたら街はすっかりツツジの花盛り。

一ヶ月に一度は着よう、と張り切っていた昨年とは打って変わって、今年は全然着物に袖を通していない…と、ふと我に返り。
一念発起して、4月は着物の愉しみを味わう体験にチャレンジしてみました。

まずは、幼稚園の春休み最終日の9日。二子玉川の「梅屋」さんのアトリエオープンデーにお邪魔しました。
目的は、葉ごろも着付け教室のmiyukiさんが出張して開催した「半幅帯克服レッスン」の受講。
持ち物リストの「4m以上ある半幅帯」が手持ちの中に無い時点で、すでに克服するべき課題が見つかってしまいましたが(苦笑)
一番長い帯で何とか、リボン結びを一から覚えることが出来ました。

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着付け教室に通っていた頃、先生に言われるがまま購入したものの(振袖を着付ける機会もないのに使うこと、あるのかな…)と思っていた三本ゴム紐を、やっと活用できる日が!

問題は、自宅で一人でちゃんと再現できるか…記憶力の衰えを補う、丁寧なテキストをいただけてありがたかったです。お世話になりました。

何とか新学期も無事に滑り出し、あっという間にゴールデンウィークを迎えた4月30日は、目白の古民家ギャラリー「ゆうど」で行われた「井戸端・着物マーケット」へお出かけしてきました。170430yuudo1_2

ふり注ぐ陽光に、庭の緑が本当に美しい日。門の中には着物美人たちが行き交う別世界が広がっていました(玄関でお出迎えしてくれたカメやイノシシさんも可愛かったです)。
強い日射しの下で、憧れの新之助上布も一層まぶしい光りよう…
(結局、この一反をわが家に連れ帰りました)

170430yuudo3_3この日の私のコーディネートは、お下がりの紬と織りの帯でこんな感じです

京都のカカラ装飾品店さんが開催された、帯飾り作成のワークショップにも参加してみました。
自分でタッセルとパーツを選び放題で、思うがままの帯飾りが作れる…という夢のような企画です。
選び放題ゆえに「何をどうしたらいいやら?」と途方に暮れたのもつかの間、このビーズもステキ、あの石もキレイ…と目がキラキラ。
ワイワイおしゃべりしながら手を動かすのも楽しくて、参加した一同、それぞれに個性がはっきり出た帯飾りが完成。170430yuudo2

出来たての帯飾りをゆらゆらと揺らしながら、次に目指したのは日本橋。
日本橋三井ホールの「東京キモノショー」を覗きに行って来ました。

池坊のお花あり特別設えの茶室あり、ホールを埋め尽くすコーディネートも圧巻。来場者のお着物も色とりどりで、華やかさと賑々しさに酔ってしまいそうな感じでした。

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ポーッと見惚れてばかりで、ほとんど写真を撮らずに帰ってきてしまいましたが、まずは、着物LOVEな人々がこれだけ存在するんだ、ということを深く実感した次第です。

同行の着物ともだちとのおしゃべりもはずんで、大変充実した日曜日。エネルギーと刺激をたくさん吸収した、この春のmy着物イベントでした。

2017年2月11日 (土)

着物にまつわるエトセトラ

2016年の年頭に「今年は毎月着物に袖を通そう」という密やかな目標を立てて、惜しいことに師走だけ、天候や体調の具合で果たせなかったのですが、振り返れば四季を通して着物のおしゃれを楽しむことが出来ました。170217kimono6

明けて2017年。
着物初めは、葉ごろも着付け教室の新年会に参加してきました。会場は大船のアトリエキッチン鎌倉
オーナーさんが自ら畑の朝採れ野菜を瑞々しい料理にしてくださり、貸切のスペースでいつもながら着物談義に花が咲きました。

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その新年会の席上、ご一緒したスタッフさんから「モダン着物小物 梅屋」がラフォーレ原宿イベントに出店、との情報を入手。

コンスタントに着物を着る生活に復帰した途端、手持ちの履物が続々と寿命を迎えてしまったので、ここはチャンス!と出かけてきました。原宿の交差点に立つのは一体何年ぶりのことだったでしょう(笑)

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目的がはっきり決まっているから選ぶのも楽、と思っていたのは甘かった。おしゃれな台とおしゃれな鼻緒、果てしない組合せに頭がどんどん混乱してくる…
そんな中、スタッフ恭子さんが、「え?どこにそんなの隠れてました?」という素敵な鼻緒を提案してくださり、めでたく下駄の新調が決定。出来上がりを楽しみに待つこととなりました。

それからしばらく経って、お声をかけていただき、人形町で行われた近江の「新之助上布」新作展示会を覗きに行ってきました。

大好きな明るいグリーンの綿麻を身にまとわせていただく私。
経糸と横糸の織り成す色の微妙な変化を目で楽しみ、爽やかな風合いを心地よく感じ…
今回はお持ち帰りとはなりませんでしたが、次のお買い物は絶対これ、と心に決めた時間でした。170217kimono3
大西新之助さん直々に様々なお話を伺うことも出来て、同行のメンバーと二次会のお茶まで楽しいひと時を過ごしました。

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ちなみに背面はこんな感じ…妖怪「反物背負い」(笑)着物を通して布の不思議さに気付かされること度々です。

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そして建国記念の日、ラフォーレでオーダーした下駄をめでたく受け取って参りました!

一度伺ってみたかった梅屋のアトリエにて。当日、長襦袢のレッスンを開催していた葉ごろも着付け教室のmiyukiさんからも「グー!」サインをいただきました。心強い!

ちなみに奥に映り込んでいる半幅帯は、激しく心惹かれながらも自制心を発揮して置いてきた一品(笑)

年初からこんな具合に趣味の着物を楽しんでおります。今年は何回、どんなコーデでどんな時間を過ごせるかな?

2016年11月20日 (日)

吉例顔見世大歌舞伎

実家支援業務と、役員として参加する幼稚園の行事があれこれと重なって、10月の終わりから11月はとにかく慌ただしく、気忙しく、落ち着かない毎日でした。

折悪しく、直前に感染性胃腸炎が大流行して、どうなることやら…と思われた幼稚園のお遊戯会も終わり、衣装係のお役目を何とか務め終え(息子の初舞台は袖から垣間見ただけでした・苦笑)…

自分の衣装係は全然苦にならない!とはりきって着物を着て、向かうは歌舞伎座。
着物がご縁でこの時にお知り合いになったさTんをお誘いし、中村芝翫襲名披露興行、二ケ月目の昼の部を観に行くことにしたのです。

意気揚々と最寄り駅から電車に乗り込み、週末の割に空いた車内で座席に腰を下ろし…

スマホ片手に時間をつぶすつもりが、やはり疲れが溜まっていたのか、自分でも気づかぬうちに睡魔に襲われていました。
イヤだ、いつの間にか寝ちゃってた…と我に返った目に飛び込んできたのが

目指す方向とまったく違う「恵比寿駅」の看板

乗り換えなければいけない駅をすっかり寝過ごしていたことを悟って、青くなったり赤くなったり。
しかし、時間は前にしか進みません(涙)

間抜けな大失敗のせいで、お待たせしたばかりか一幕目は結局観られず。
平謝りの私をやさしく、明るく慰めてくださるTさんの大人の器量が、かたじけなくてありがたくて。

観劇の前に心身ともに消耗しましたが(自業自得です)、それでもなお、舞台は充実の内容で、見ごたえ十分。
襲名披露興行ならではの華やかさに酔いしれることが出来ました。

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一幕目の終了間際に入った歌舞伎座のロビーで、貸切のような写真が撮れたのは怪我の功名?Tさん、お母さまから譲り受けたという色無地に帯が映えて素敵でした。

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私は細かい流水紋が全体に描かれた、ぼかし染の小紋に袋帯を合わせました。桟敷席の上の二階から、先月とはがらりと印象を変えた祝幕を眺めているところ。

「毛抜」に「加賀鳶」と、賑やかでユーモラスな演目が並んで肩の力を抜いて楽しめました。

そして何といっても、昼の部の一番のお楽しみだったのが、四人同時に襲名する芝翫父子の連獅子。

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4人で舞う連獅子というのはいったいどんな事になるものかしら、と楽しみにしていましたが、「祝勢揃壽連獅子」という題名どおり、舞台装置から間狂言の趣向まで、「お祝いですから普段より盛ってます」感、満載!
先代譲りの、芝翫丈の大きな長いお顔は、これぞ舞台人、というべき立派さ。
そして、ゴージャスなお膳立てに負けることなく、鍛錬を重ねてきたことがひしひしと伝わる仔獅子たちの舞に、拍手を贈りながら胸が熱くなりました。

とんだアクシデントを招いてしまったものの、最後は「楽しかった!」と心から言える一日になって、感謝の気持ちでいっぱいです。

2016年11月 3日 (木)

思い立ったが七五三

秋晴れとなった文化の日。

家でのんびり昼食を食べた後、新聞の折込チラシにあった「七五三撮影キャンペーン中!」の文字にふと目が留まりました。

子どもが生まれるまでは特に関心もなく、自分の経験から、女児のお祝いは三つと七つ、男児が五つの時…というのが七五三祝の定説だろうと思っていました。
それが、当事者意識をもって見てみると(笑)写真スタジオの広告などで、三つのお祝いは男女共、という例を知り。

そもそも早生まれの息子の場合、数え年でするのか満年齢でするのかも何だかややこしくてよくわからず…

この際、氏神様である近所の神社で聞いてみたらスッキリするのか、とホームページを検索してみたところ、

※七五三の起源とされる平安時代からのしきたりとして、男女三歳から「髪置」の儀式がある
※数えでも満年齢でもどちらでも構わないが、三歳の男女なら、満年齢2歳を過ぎた次の11月が良いのでは

…と、大変親切な目安が示してありました。
それなら「今でしょ!」思い立ったが吉日、と七五三詣を決行することにしました。

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今から半世紀近く前、夫が生まれた時のお祝いに、父方のひいおばあさんが贈ってくれたというモスリンの着物。共布の袖なしちゃんちゃんこがついていたのは、雪国富山ならではの心遣いでしょうか。

福山に住んでいた時に買った、特産の松永下駄がギリギリまだ履けるサイズだったので、足袋だけ大慌てで夫が買い物に走り、その間に私はバタバタと息子と自分の着付け。

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お昼過ぎから突然に準備を始めたのですから、慌ただしくなるのも当然で、本来は大切な節目の儀式なのに心構えがなってない、という気がしないでもないですが(苦笑)
あと15分で受付が締め切られる~、という焦りが私の大股歩きに如実に表れております…
日中はさぞ、多くの家族で賑わっていただろう境内も、ほぼ貸切状態でした。

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拝殿の準備が整うのを待つ間も、口を開けば「ちとせあめ、まだ~??」と不遜な態度の息子…

記念撮影は5歳の時までじっくりプランを検討するとして、こんな具合で無事に、息子の3歳の七五三祝も終わりました。

ちなみに、ご祈祷をしていただいた後で境内の摂社をまわってお参りした際、息子の口から出たお願いごとは

「ころんで泣きませんように」
「大きくなれますように」
「お腹がすかなくなりませんように」

…さすがに、最後のお願いに関しては「どういう意味?」と確かめずにはいられなかったのですが、本人の真意は「ごはんが出て来たらいつでも食べられる状態にしておきたい」ということだったそうです。食いしん坊バンザイ…

2016年10月26日 (水)

三人寄って銀座ランチ

大阪で上方舞教室「ろじゅあん」を主宰されている、お友達の山村若静奈さん。
この度、師匠のリサイタルをお手伝いしに上京されたので、葉ごろも着付け教室のmiyukiさんと三人で銀座ランチを楽しんできました。

歌舞伎座で昼の部の幕見を楽しんで来られたお二人と、EXITMELSAの前で合流。
東京案内人のはずの私とmiyukiさんが、口を揃えて

「ここはホントは『ニューメルサ』でしょ?看板見てもわからない」

と嘆く始末(苦笑)方向音痴ーズの私たちには、激しい街の変化はなかなかの試練です。

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色白の若静奈さんには玉子色のお着物が本当によくお似合い。miyukiさんは和装洋装共に差し色使いの達人です。

選んだお店は、帝国ホテル仕込みのカレーやシチューが有名な「銀座 古川」。
その昔、夫と銀座方面に出かける時はよく立ち寄った懐かしいお店です。

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大好きなほうれん草カレーの味もお皿も、水の代わりに供される美味しいアイスティーも、記憶の中に大事にしていたものそのままでした。
そのままでいてくれることの、なんとありがたいことよ…(感涙)

お互い、出会ってからの歳月は経ちましたが、実はこの3人で一緒のお出かけというのは初めての組み合わせだったと後で気づく。
おしゃべりに花が咲き、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
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二次会(?)は、四丁目の交差点を見下ろす「鹿乃子」二階の喫茶室で。
それぞれの場所で人生の転機があり、その分知らない世界のことを色々と覗かせてもらえて、つかの間でしたが密度の濃い逢瀬でした。

すっかり秋めいてきて、三日前には袷の着物で出かけられたのに、なぜかこの日だけ25℃超えの夏日。
ちなみに前日は雨交じり…と、遠来のお客様にはまことにお気の毒な空模様でした。私も急遽予定を変更して、伊勢木綿で出かけてそれでも暑かったです。
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若静奈さんからのお土産、季節感たっぷりのたねやのお干菓子。口に入れちゃうのがもったいない…(結局は入れるんだけど)
相変わらず、子どもの幼稚園行事などで慌ただしい毎日が続いていますが、そんな時こそ心を静めて美味しいお茶でも点てよう、という気分になりました。

再会の時を楽しみに、私も自分の場所で一生懸命やろう、と刺激をいただいた一日でした!

2016年10月23日 (日)

十月大歌舞伎~八代目芝翫襲名

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過日、おかげさまで47歳の誕生日を迎えることが出来ました。
今年のお祝いは、夫が歌舞伎座の観劇をプレゼントしてくれることになり、八代目中村芝翫の襲名披露、夜の部を二人で観て来ました。

3人のご子息と、4名同時の襲名披露というのは歌舞伎座でも前例のないことだそうで、お祝いのポスター看板もフレームに収まりきりません(笑)

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大好きな帯に、この日初めて袖を通す小紋でお出かけしました。他にも何枚もお下がりをもらっている大伯母の遺品。
寸法は他と変わらないはずなのに、普段通りに着たつもりがおはしょりが重厚長大に…(そしてやり直す時間の余裕はなかった・涙)

襲名のおめでたい舞台に華を添える、賑やかな「外郎売」に続いて「口上」。

公演の直前に、不徳の致すところ(笑)で世間を少々騒がせた主役に向かい、「奥さんに叱られながら、これからも息子さん達を立派に育てて…」と笑いを取った菊五郎丈がさすがでした。

居並ぶ幹部俳優の中には、いつの間にこんなにお年を召して弱ってしまわれたのか、と胸を突かれる役者さんもいらっしゃいましたし、何よりも芝翫丈の実の兄であり、歌右衛門襲名が約束されていた中村福助丈が、療養中でこの場にいないことはどれほどの無念かと…

初々しい若い世代の口上を聞きながら、自らの天命、人生そのものを人々の目にさらけ出しながら生きる、俳優という生業の厳しさを考えさせられた時間でもありました。

今回、襲名された芝翫丈が、30年前に佐助役で出演したNHK「真田太平記」。水曜の夜に祖母と並んで、橋之助ってかっこいいよね!とドキドキしていた頃が懐かしいです。
時は流れて、熊谷陣屋の悲劇を演じ切る貫禄が備わったことに感慨が。

…とか言いつつ、実は一番のお目当ては、夜の部の締めくくりに坂東玉三郎サマが舞う「藤娘」でした!
暗転の闇から、フワッと明るく照らされた舞台一面に咲き誇る藤の花。その中央に立つ藤の精の美しさに、客席全体から「ああうれしいな、きれいだな」という無邪気なよろこびが、湯気のように立ち上っておりました。素晴らしかった。

さて、夜の部は上記のような演目でしたが、実は昼の部でもどうしても気になる演目があり、この日の数日前にダッシュで幕見席から見物してきました。

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4階からの眺めはこんな感じ…エッジの効いた感じの襲名祝い幕は、佐藤可士和さんデザインのものだそうです。

…それで、何が昼の部のお目当てだったかというと、幕開けの舞踊『初帆上成駒宝船』を作ったのが、大好きな画家の山口晃さんだというので、これは観ておかねば、と。

襲名記念品の扇子を依頼され、扇面に三兄弟の船出を描いて添えた詞書が元になって新作舞踊が作られたそうです。(舞台の様子はこちらに紹介されています)

画伯の絵が舞台装置になって歌舞伎座を彩るとは、生きていると本当に楽しいことがあるものだ、と感激でした!

話は戻って、夜の部鑑賞の帰路。
藤娘の余韻に酔う私の手元には、夫が買ってくれたこちらのお宝が。

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はい、件の成駒屋扇子です。襲名記念品コーナーで、手ぬぐいやマシュマロ(!)などと一緒に並んでいました。
制作は京都の宮脇賣扇庵さんでした。

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橋之助、福之助、歌之助の三兄弟(それぞれ顔の特徴がよく捉えられています)が威勢よく船出する姿。
詞書をよく読むと、三人はもちろん、芝翫丈や三田寛子さんの本名が巧みに織り込まれていて、確かに作調して踊りたくなる素晴らしさ。なんて幸せファミリーなんでしょう!

その幸せをくれぐれも大切に、今後も芸道に精進していただきたいと心から思う次第でありました。
(私もありがたみをかみしめて、この扇子は大事にしなければ)