浅田真央サンクスツアー2019
師走の気忙しさを頭から追い出して、家族を置いて1人、新幹線で名古屋に向かった土曜日。旅のお供のかまくらカスターと、アンソニー・ホロヴィッツの「カササギ殺人事件」(評判通り面白かった!)を堪能しつつ。
親戚を訪ねて名古屋駅はよく利用しますが、子連れではなかなか立ち寄れない有名店で昼食。新幹線下りホームの、行列が出来る立ち食いきしめん「住吉」です。かき揚げが人気ですが牛肉きしめんをチョイス。お出汁の香りと味が最高でした。
その後、地下鉄やらリニモやらをえっちらおっちら乗り継いで、長久手の「モリコロパーク」こと愛・地球博記念公園へ。目指すはアイススケート場で行なわれる「浅田真央サンクスツアー」。
引退後の真央ちゃんがセルフプロデュースして、「今まで応援してくれた人たちへ感謝の思いを届ける」という思いの下に続いているアイスショー。
驚くほどの低価格で、通常アイスショーなど滅多に開催されない地域のスケートリンクを回る、ゆえに都市部ではかえって観に行くのが難しいこのショーを、都合のつかなくなった友人から声をかけてもらって、ついに観に行けることになったのです。
駅からデッキを延々歩いてスケートリンクが見えてきた時には、「会いに来れたよ、真央ちゃん…」と感涙…
会場のモリコロパークは、2005年に万博「愛・地球博」が開催されていた跡地。当時、三重県に住んでいたので3回も足を運んだのですが、もはやどこに何がどうあったかやら、すべてが記憶のかなたに霞んでいます。
あ、あなたたちは健在だったのね、モリゾーとキッコロ…!!(でも若干、オリジナルの姿形から離れてしまっている気が)
やがてはスタジオジブリのテーマパークが出来上がる予定。愛地球博の時に出来た「サツキとメイの家」は当時は大混雑で入場できず、今回も時間が合わなくて外から眺めました。
そして始まったサンクスツアー。真央ちゃんが滑っていた試合やエキシビションのプログラムをアレンジして、本人や他のスケーター達が滑るショーナンバーが、ノンストップで繰り広げられる80分。
何度も繰り返し見て、もう音楽を聞くだけで真央ちゃんの振付が浮かんでくる名プログラムが、グループナンバーなどに生まれ変わっているのは新鮮でしたし、オリジナルの愛されポイントがとても尊重されているのが伝わってきて、リンクからとめどな溢れる「Thanks」を感じました。もちろん、観客席からも惜しみない声援と拍手が沸き起こり、感謝の思いが暖かく、熱く、冷たい氷上を飛び交う、幸せな空間でした。
このプログラムの時は故障で気の毒だった、このEXの年はジャンプでエラーを取られて…金メダルの夢を叶えられず…お母さんを亡くして…
走馬灯のように真央ちゃんの来し方が脳裏を巡り、事あるごとに涙が出てしまうショーの最終盤。
男性スケーターとソチ五輪のフリーを再現してみせたラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、それはそれは素晴らしかった。ショートサイドの前方に座っていた私の目の前で、口元に笑みを浮かべながら軽く5連続タノジャンプを決めてくれた真央ちゃんは、何というかもう、後光が差して見えました。
日の当たる大通りだけを歩いているように見えながら、高みにいる人だけが知る苦しい道のりを乗り越えてきた人生。その真央ちゃんが、心の充実が伝わる笑顔でまだ、氷の上にいてくれている。良かった、よかったね、と泣き腫らした目でフィナーレの周回を見守ったのでした。
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