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2019年9月

2019年9月23日 (月)

チームラボボーダレス

9月は仕事でお台場のパレットタウンに通う機会があり、案内表示がやたら目について興味を持ったのが、デジタルアートミュージアム「チームラボボーダーレス」。

生まれた時代に関係なく、中年に差し掛かるとカタカナ言葉に弱くなるものなのでしょうか、「プロジェクションマッピング」という言葉が時々出てこなくなってしまう私のようなレベルでも、出かけてみたら理屈抜きで楽しめる空間でした。

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とにかく用意された画像の種類が豊富、組み合わせも複雑に変化していくので、一ヶ所に足を留めてボーっと壁面を眺めているだけで、いつの間にか時間が立っているという感じでした。
いくつかの主題の中でも、水墨画のようなタッチで描かれた、鳥獣戯画の動物と古の人々が行列していく作品がとりわけ気に入りました。

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三十分待ちの行列について入った「ランプの森」の部屋。ここを含め、館内はどちらを向いても皆、スマホを片手に自撮りに夢中。私の下手な写真より、インスタグラムで「#teamlab」を検索した方がよっぽどきれいな写真が見られそうだと思いました(笑)

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チケットを事前予約してくれた夫が、館内の喫茶施設「EN TEA HOUSE」のお茶券も併せて購入してくれました。メニューは抹茶や、ほうじ茶を使ったミルクティーなどいずれもこだわりの一杯。手元が見づらいくらい暗い店内に最初は驚きましたが、差し出された器の中に、狙いを定めて花が開いては散っていく…という趣向。夢のようなティータイムでした。

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「映える」を楽しむ若者ばかりでなく、子どもが体を動かしたり、お絵かきした画像を読み込ませてプロジェクションマッピングの世界で動かすことが出来るコーナーも充実。
息子の足に根が生えたかと思うほどの熱中ぶりで、ここを出たらその後に…と計画していた買物や食事の予定は全部あきらめたほどでした(笑)もはや、何の力に感嘆したらよいのかもわからない技術に圧倒されて帰りました。

2019年9月 7日 (土)

高畑勲展 ―日本のアニメーションに遺したもの

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NHKの朝ドラ100作目「なつぞら」は、日本のアニメーションの黎明期に、レジェンドたちと共に仕事をした奥山玲子さんの半生がモチーフになっていました。

生み出す作品の魅力はもちろんですが…かつてスタジオジブリは(設立前の過程も含めて)、才能も個性も際立つクリエイターの群像劇の舞台として、考察して興味が尽きない対象でした。
あの人をこんな感じでこの俳優が演じるのか、あの逸話はここにこう持ってきたか!…と、ドラマそのものより、翻案の過程を楽しんでいたような半年。
アニメ関連の考証や製作に携わったのも、高畑・宮崎両氏の制作に深く関わった豪華メンバーで、事あるごとに「ぜ、贅沢!!」と唸っておりました。

そんな中。没後約1年、高畑勲監督の大規模な回顧展が開催されることを知って以来、会場に足を運ぶのを心待ちにしていました。
夏には、高畑・宮崎両監督を卓越した作画技術で支え続けた、近藤喜文さんの回顧展を三重県総合博物館にて鑑賞。

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世界名作劇場の枠の中でも一番好きな「赤毛のアン」のキャラクターデザインをしたのが近藤さん。オープニングの最後に出て来た、小鳥を手に乗せるアンの横顔の原画が見られて大感動!
三善晃作曲の、子ども相手に容赦はしないゴージャスなテーマ音楽に、「なんだか大人っぽい世界がここにある」と胸をときめかせていた、日曜日の夜の気持ちが甦りました。

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ご自身の監督としては「耳をすませば」ただ一作を遺して亡くなられた近藤さん。映画の中の街並みが撮影コーナーになっていました。

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さて、話は竹橋の東京国立近代美術館へ戻って。

「高畑勲展」会場に入ると、遺作となった「かぐや姫の物語」のパネル展示が目に入り、最晩年から年代をさかのぼっていく逆順の年表が目に入りました。

現実に起こったエピソードが凄まじすぎて、朝ドラ枠の「なつぞら」ではとてもじゃないけど、事実に忠実には描けなかったんだろうなあ…と思いながら視聴していましたが(モデルの奥山さんの産後復帰の闘いとか、ドラマでやったら逆にウソっぽいと言われそうな逆境)。
やっぱり「実録・東映動画労組」とか、がっつりドラマ化して後世に伝えてほしい気がする…

50年前に生まれた夫と私が物心つくはるか以前から、積み重ねられた偉大なキャリア。
運命が結んだ絆、としか言いようのない、日本アニメの神々たちの描いた絵、文字、そして実際のアニメーション画像…洪水のような情報量で、なんと4時間近くを鑑賞に費やしてしまいました。

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「アルプスの少女ハイジ」の、おんじの小屋と周辺の村が再現されたジオラマ。アルムのもみの木に囲まれて、ハイジとペーターはこんな急勾配を行ったり来たり駆けまわっていたんだなあ…

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ラクレットチーズを溶かしてパンに乗せたい!おじいさんと暮らした小屋の中も、こんな風に再現。モフモフのヨーゼフの背に埋もれたい誘惑にかられます。

「絵が生きているように動く」、当たり前のように目にしていたその事が、一つひとつ非凡な才能によって見出された技術によって生まれていたことを再確認した展覧会でした。
自覚できないほど深いところで、子どもの頃に本気で楽しませてもらった経験が、つまづいた時の自分を支えてくれることがある。
円が閉じるように再び「かぐや姫の物語」のラストシーンを再現して終わる会場を出ながら、胸に浮ぶ思いは「感謝」の一言でした。

そしてもう一点、とにかく心に残ったのが、1枚1枚の絵と同じくらいの熱量を伝えてくる、手で書かれた文字の迫力。
昭和40年代、心に思い描く理想、仲間と共有するアイデア、課題を形にするための試行錯誤…何もかもが、紙の上にペンを走らせて、一人ひとり違う字の形で残されている。

製作の遅れや予算超過に関し懲戒をちらつかせる、東映動画上層部からの念書さえ手書きに捺印(だからこそ何とも言えず怖い、そして高畑さんはどんな思いでこれを保管しておられたのか)。

はたらく「人間」の体温を、何十年もの歳月が流れたあとでも感じ取ることが出来る時代は、もう訪れることはないのかもしれない…そんなことも考えさせられました。

2019年9月 3日 (火)

ロケットマン

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息子の夏休みが終わって、昼間の自由時間が戻ってきた!と、勇んでエルトン・ジョンの半生を描いた映画を鑑賞してきました。

描く時代も撮った人もかぶっているスターの伝記映画というので「ボヘミアン・ラプソディ」を思い出してしまいますが、「今を生きる人が描きたいように作った物語(つまりドキュメンタリーではない)」という点は二作に共通するものの、こちらは完全にミュージカルというかロック・オペラの趣き。


濃密な人生の光も影も、圧倒的にゴージャスに彩られた音楽とダンスで煌びやかに演出され、正直、曲に馴染みはあるけどご本人に特別な関心はなかった私も心から楽しみ、「あぁ、この歌がここで来るか…!」とハンカチを握りしめてしまった事数回。


 


やっぱりこの曲はマスターピース!
作詞家としてエルトンと長年コンビを組み、この映画でも重要な位置を占める人物、バーニー・トーピンを演じているのは、あの「リトル・ダンサー 」で主演していた男の子、ジェイミー・ベルです(感涙)。


ファーストシーン、道化のようなイタい人物として画面に現れて、その直後に表情が大写しになると、本当はどれほどの心の傷を誤魔化してきたのだろう、と同情せずにはいられなくなる。
ハート形のサングラス越しにのぞく目の、ギョッとさせられるほどの哀しさ…主演のタロン・エジャトン、歌声も含め素晴らしかったです。(キングスマンでは、エルトン・ジョンとあんなにやりたい放題暴れてたのに)

華やかでありながら、終始、幼少期からのエルトンの痛みと精神的な飢えにフォーカスした内省的な映画でもあって、ライブシーンがド派手でも応援上映とか不向きそう…
才能も名声も富も、「自分と折り合いをつけて生きる」ことに比べたら、ちっとも人を幸せにはしないのね、と深く感じ入った次第。(スターの伝記映画はほぼこのパターンとも言う。それだけ大事な人生の真実なのでしょう)


そういえば、先日観た「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」(エースをねらえ!世代にお馴染み、女子テニスのキング夫人の映画)でも「ロケットマン」が流れる場面があって、切なくて美しくてグッとくるシーンでした。



才能ゆえに、特別な人生を歩まされる本人は大変だけれど、おかげで生まれた歌の数々に救われてきた凡人としては、地獄から生還してくれてありがとう、という思い。


なお、近年の実録もの映画のご多分に漏れず、本作もエンディングではエルトン始め実際の登場人物の写真が出て来るのですが、私、最後の1枚が出て来た時にあまりの驚きで座ったままのけぞりました!これからご覧になる方はぜひ、最後まで気を抜かず(笑)

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