2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

* link *


無料ブログはココログ

« 氷上の王、ジョン・カリー | トップページ | 港ヨコハマ再発見 »

2019年7月 2日 (火)

COLD WAR あの歌、2つの心

190630coldwar

第二次大戦直後、社会主義となったポーランドで出会った男女の物語。
そしてタイトルが「COLD WAR」とあれば、いかにも、東西冷戦下の社会情勢の動乱に翻弄される悲恋を連想してしまいますが、この映画で描かれる主人公たちの結びつきは、時代の変化にも、時の流れにも、まったく動じることがない。
国境もイデオロギーも、文化の違いも関係なく、ただ相手を追い求めるブラックホールのような引力、圧倒的でした。常に思いの中心にあなたがいる、という愛憎半ばの「冷戦」。
モノクロームの画面で描き出される二人の生の軌跡が、凡人の理解を超える激しさで、でも映画は隅々まで美しくて。
90分に満たない映画ですが、あまりの濃密さに、十数年にわたる旅路を一緒に体験したような…
どんな映画もそうだけれど、本当にスクリーンの暗闇で向き合うにふさわしい、いつまでも忘れられない一本になりそう。
レア・セドゥによく似た面影の主演女優の歌声を、鑑賞後ずっと脳裏に反芻しています。

 

主人公たちが出会ったのは、戦後、ポーランドの民族音楽や舞踊を上演するために結成された歌劇団。映画は、その立ち上げに向けて、国内の各地に伝わる土着の民謡を採集する過程から始まります。
冒頭、見たことのない楽器のクローズアップから、次々と繰り出されるエキゾチックで哀調を帯びた歌の数々に、まずは心を揺さぶられました。

ふと思い出されたのが、公開時日本でも話題になった「迷子の警察音楽隊」という映画。
文化交流のためにイスラエルに招かれたエジプトの警察音楽隊が、集団で行き先を間違え辺境の街にさまよいこんで、さてどうなる…というストーリーなのですが、大げさな泣かせも笑わせもなく、その分じんわりと沁みる作品。
なんとハートウォーミングな…と思ったところで、エンドロールで披露されるこの音楽隊の演奏(というか隊長さんの独唱)が、ここまで来てまったく想像を裏切る、カルチャーショックを受けるスタイル(私が無知だっただけかもしれませんが)で…
世界は広い、ということと、土地に根差した文化の底力に頭を殴られたような気持ちになったものです。

この「COLD WAR」も、遠いところまで心を運んでもらえる、という映画芸術の素晴らしさを実感できた映画でした。沢山の人に観てもらいたいなあ。

« 氷上の王、ジョン・カリー | トップページ | 港ヨコハマ再発見 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 氷上の王、ジョン・カリー | トップページ | 港ヨコハマ再発見 »