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2019年6月 7日 (金)

アメリカン・アニマルズ

Americananimals

2004年、米国ケンタッキー州で、大学図書館から時価12憶円相当の貴重な古書が強奪される。事件を起したのは、特に生活に困っていた訳でもない4人の大学生だった…

…という、実話を映画にしたのがこの「アメリカン・アニマルズ」という作品。
実話に基づいて、というレベルではなく、事件のあらましを俳優たちが演じるドラマを観ているうちに、なんと事件に関わったご本人達が続々と登場して、事の経緯を回想し始めるという、ドキュメンタリーの手法も用いられています。

自分の力で人生を切り回していかなければならない時が目の前に迫りつつあり、不安と同時に、こんなもんか?と勝手に先行きを見極めたつもりになってしまう。
そんな中で、特別な存在でありたい、ありきたりなやつらとは一線を画したい、という思いが、抗いがたい誘惑として目の前に立ち現れる…

イタズラの延長線上のような、稚拙な犯罪計画にのめり込んでいった彼らを、若い!イタい!愚かすぎる!と断罪するのは簡単だけれど。
それで終わりにしてしまうにはあまりにも、彼らが「いつの時代もどこにでもいる若者」なのがほろ苦い。
かつてまわりにいた若き日の仲間たちも、私自身でさえも、そしてSNS時代のある意味地獄を生きる今の若者たちも、皆みんな、取返しのつかない「やらかし」と紙一重。

事実の再現をフィルムに焼き付けていく過程のうちに、各人の証言は微妙にくい違い、完全犯罪と言う幻から、ついに現実に引き返せなかった彼らの哀れさが痛ましいのですが、観ているこちらにも「ヒャッハー!もしかしたら上手くいっちゃうんじゃない?」と思わせる瞬間があるのが怖いです。
「普通」と「普通じゃない」人生は、かくも地続きなのかと考えさせられます。

映画の終盤に登場するのが、どの登場人物のご本人か。4人の大学生のうち、当時を回顧して唯一泣くのは誰か。
現実の世界の中では、傷つけられていい人間など存在しない。
シンプルなようでいて、実は他者の痛みを想像できる心の成熟がなければ理解できない映画のメッセージを、事件の当事者である彼らはずっと心の深部に抱えて生きていくでしょう。
犯罪者の烙印を押されることなく教訓を胸に刻めるのも、芸術の効能です(笑)それにしても強烈な青春映画でした。絶対に後戻りしない時間の切なさよ!

 

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