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2018年11月29日 (木)

日日是好日

181129nichi
市民講座の裏千家のクラスに月2回通う、そんなお茶の世界とのお付き合いも、今ではすっかり遠い過去。

それでも、茶室の中の「音」「温度」「手ざわり」など、五感すべてが刺激を受ける…抹茶とお菓子の味わいにとどまらない、茶道の奥深さを体験出来たことは、本当に貴重だったと思っています。

その、心が揺さぶられる発見を追体験したくて、大きなスクリーンと良い音響の映画館でじっくりと鑑賞してきました。

初心者が誰しも通る戸惑いや失敗、お正客にならないためのお茶席イス取りゲーム(イスは無いけど)など、様々な「茶道あるある」では、客席の殆どを占める中高年女性たちからあー、わかる、わかるという声が漏れていました(笑)

「このお道具で、この方たちとお茶をいただけるのは二度と無いことかもしれない、その心構えで臨みなさい」
と、一期一会の心得を説いてくださった、自分の先生のことも、お稽古の日々も、懐かしく思い出され…
またいつの日か、茶室で釜の鳴る音に静かに耳を済ませたい、鑑賞後は案の定そんな気持ちに。

森下典子さんの原作を読んだのは、自分がお稽古を始めて間もない頃です。
著者のさまよえる心の旅路の果てに、まるで推理小説の種明かしの場面のようにタイトルの意味が明らかになる。
そのお手並み(お点前でなく・笑)に、参りました…と圧倒させられた記憶があります。

自分にとって思い入れの強い一冊だったこともあり、映画化のニュースを知った時は
「なぜ、今頃?」
という気持ちと、そしてもう一つ
「なんでもかんでも、樹木希林なんだなあ…」
というのが最初の感想でした。

その時は、これが希林さんの遺作、という扱いになるとは想像もしていなかったのですが、茶道の経験が無いというのが信じられない、見事な茶人の身のこなしでした。着物の着方や物言いも、ああお茶の先生ってほんと、こんな感じ!と手を打ちたくなるような。

そして主演の黒木華さん。
序盤の、悪い子じゃないんだろうけど、体の真ん中に芯の通っていない、頭でっかちな、要するにどこにでもいる若い子、という主人公が、成長していく過程の演技表現に引き込まれました。

面白い話が一つ。

映画の中盤に登場する大寄せの茶会は、横浜の三渓園が舞台になっているのですが、その撮影時のエキストラをされた方とお話する機会がありました。

間近で、そしてスクリーンで見た樹木希林さんの佇まいは本当に凜としていた、ちょっと前に「万引き家族」を観ていたものだから、あまりの違いにビックリしちゃって…
というのに応えて

「そうですよねえ。『万引き家族』といえば、あの映画の安藤サクラが『まんぷく』の福ちゃんだなんて、信じられないですよ」

と言ったら、え?NHKの朝ドラ?福ちゃんあの映画に出てましたっけ?と、先方がまったくピンと来ていない。
ほら、クリーニング店で働いてた、お母さん役の…とお伝えした時の、先方の「えええええ?全然違うじゃない!」という驚きっぷりと言ったら(笑)

生涯現役の役者としても、一人の人間としても、樹木希林さんはあっぱれという他ない一生を全うされました。
その欠落は大きな穴ではありますが、日本にはまだまだ、底力のある女優は次々控えている。頼もしい限りだと思います。

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