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2018年6月

2018年6月18日 (月)

犬ヶ島

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ウェス・アンダーソンの新作が、大好きなファンタスティックMr.Fox以来のストップモーションアニメで、なおかつ日本が舞台、という情報を最初に聞いた時、朗報という言葉では足りない、恐れ多いほどの喜びと期待を感じてしまいました。

ウェス・アンダーソンの映画を観る度に、その「スタイル」の存在感に圧倒され、「もう、大好きです!かわいい!愛らしい!」と腰砕けにならざるを得ない私です。

近未来の架空の都市「メガ崎市」を舞台に、犬インフルエンザの蔓延で捕獲・隔離される犬たちが少年と共に立ち上がる…という本作でも、鑑賞中ずっと、「この世界の中にずっと浸っていたい!いつまでも観ていたい!」と身悶えしておりました。

冒頭の、このぽっちゃり男子たちが叩く和太鼓の音楽からして、かなり中毒性が高い。

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てっきり日本の奏者が演奏しているのかと思っていましたが、エンドクレジットでそうではないことがわかってびっくり、枠に囚われていた自分の狭さを恥じました…

「七人の侍」をはじめとする黒澤明監督作の引用をはじめ、絵巻、ネオンサイン、日本家屋、鮨…私達にとっての「あたりまえ」が、1枚フィルターを通したらこんなにも違った輝きを放つのか、という興奮を味わい続けました。

実際に、ゴミ捨て場が「夢の島」と呼ばれていた頃を知っている世代としては、荒唐無稽とも言い切れない世界観。
好きなものを好きなように創造した、ということに尽きるこの映画で、ストーリー上の必然として描かれる汚い大人の事情が、スクリーンの外の現実(イマ)をあぶりだしてしまっているのは皮肉なことです。

日本語のセリフや画面中にあふれる文字が、「雰囲気」ではなく「リアル」に受けとめられてしまうことで、世界の中で日本人だけがこの映画の情報を奔流のように受け止めてしまう(世界の中で日本人だけが…という点は、韓国映画「お嬢さん」のこそばゆさに通じるものが)。

そんな映画が21世紀に、このクリエイターによって誕生したことは、偉大なる先人たちの遺したものがあればこそ。その遺産、当の私たち日本人が、本当に大事に出来ているのかな…?という思いも抱きました。

万人受けはしないと思うけど、もっともっとたくさんの人に映画館に足を運んでほしかった!!

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