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2017年5月

2017年5月14日 (日)

ミュシャ展

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国立新美術館はただいま、草間彌生展とミュシャ展が同時期に開催されていて、チケット売り場は長蛇の列。

4歳児を連れて行くにはいかがなものか…とためらう気持ちもありましたが、そうこうしているうちに会期が終了しては何もならない、と、一念発起し、ミュシャ展を鑑賞してきました。

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敷地内のけやきは、草間彌生展の「木にのぼった水玉」というインスタレーション作品に変身していました。4歳児も興味津々で凝視。

少しでも人の少ない時間帯を選ぼうということで、今回は夕方4時に会場入り。

今回のミュシャ展は、パリでポスター画家として名声を得たミュシャが、50才を過ぎて故郷チェコに戻り、16年の歳月を費やして完成させた「スラヴ叙事詩」全20点の展示が目玉です。

…という事前情報はしっかり頭に入っていましたが、展示室の入り口を抜けたらいきなり、テレビで何度も紹介されていた「原故郷のスラヴ民族」の絵がドーン!と現れて、その迫力にビックリ。

他民族の侵入から逃れて身を隠す、この恐怖の表情が民族の原点とは…と、絵の前のこちらも痛みを感じてしまいました。

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スラヴ叙事詩、順路の後半では展示室の撮影が許可されています。身長100㎝の息子と並べると、作品の大きさが伝わるでしょうか…

今から十数年前、プラハを訪れた時にミュシャ美術館へ行きました。そして、この連作の製作にあたり、ミュシャが村人に衣装を着せてポーズをとらせたモデル用の写真を色々と観ることが出来ました。

その際、大きすぎてここには実物を飾れない、とあった実際の作品に、東京でお目にかかれるとは…と感慨に耽りつつ、巨大な空間の隅々までぎっしり描き込まれている人々をじっくり見ていると、時間がいくらあっても足りません。

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…という訳で、閉場時間が刻々と迫る中、館内からはどんどん人の姿が消えていき、しまいにはこんな感じで静かに、四方から絵に囲まれていました。
係の方に追い立てられながらも、これはこれで、なかなか感動的なものがあり…

息子が、オーディオ解説の機械を気に入り、静かに壇れいさんのナレーションに耳を傾けてくれていたのもありがたかったです(笑)

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連作の着地点となる「スラヴ民族の賛歌」。
ところが、スラヴ叙事詩がとうとう完成した頃には、すでにチェコスロバキアは独立を果たし、絵画の主流もキュビズムの時代を迎えていて、「時代遅れ」のレッテルを貼られてしまいます。

紆余曲折の末に、いまだに常設で展示される場所も作られないまま…という事実は、この大作に込めたミュシャの思い入れの強さ、深さがひしひしと絵から伝わってくるだけに、一層切ないものが(涙)

ただ、閉館を知らせるアナウンスを聞きながら駆け足で観た、後半の展示の「これぞミュシャ!」という有名なポスター類には、時代の空気と見事に一体化して、新しい潮流を切り開いたという、本物のパワーを感じました。
その美しさに魅了された当時の人々の熱狂が、作品の背後にセットになって、光を当てているようで。

画家の才能や情熱と、時代が求めるものとのめぐり逢いって、奇跡のようなことなんだなあというのが今回の感想。
そして、今になって「スラヴ叙事詩」の訴えるものが現実世界と強くリンクしていることも、身のすくむような恐ろしさを感じます…

2017年5月 8日 (月)

ムーンライト

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今年のアカデミー賞で、まさかの発表ミスによるどんでん返し、という余計な要素はついたものの、作品賞を獲得した映画を過日、鑑賞しました。

これ、本来はミニシアターから口コミで評判が広がっていくタイプの映画では…
と思いつつも、シネコンの一番大きなスクリーンで、細部までこだわり抜いた映像の美しさを堪能できたことはまさに、オスカーさまの御利益でした!

貧しく治安の悪い地域で、ドラッグ中毒の母親と暮らす少年の成長を追う物語。
あらすじを聞いただけでは心が明るくなるような要素は皆無。

ただ、どぎつい描写で悲惨さを強調することは一切なく、監督や原作者が生まれ育った環境がそのまま舞台になっているというのに糾弾や恨み節にもならず…
静かな視線で、丁寧に主人公の心情に寄り添う、叙情的でロマンティックな映画だったことは想像以上でした。

その心の動きを目の当たりにさせられる主人公というのが、様々な理由から
「泣きすぎて自分が水滴になりそうだ」
なんて言葉が出てくるような過酷な日々を生きているので、こちらの心も否応なしにヒリヒリ痛むのですが…

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3部に分かれた物語のそれぞれで、年齢の違う俳優が主人公シャロンを演じています。心に空洞を抱えて生きざるを得ない人の、目に宿る「哀しみの色」が、3人に見事に共通していて驚嘆しました。

偶然目にした「In Moonlight Black Boys Look Blue」という原作小説のタイトルが私はとても印象に残って、それがこの映画を観たいと思ったきっかけの一つでもありました。
生まれつき備わって自分では変えることが出来ない宿命も、当てられる光によって、違う色で輝くこともあるかもしれない。

何が自分の苦しみなのかさえ理解できない子ども時代から、己一人を頼みに生き抜いていくしかないシャロン。
それでも、人生の大切な節目は必ず、自分以外の誰かとの関わりの中で訪れるのです。

月明りのような静かな、やさしい光明が、彼の心に差し込む終盤。それがまるで自分の心であるかのように、胸がドキドキと高鳴って…
本当に感情が揺さぶられる体験でした。

俳優の演技、映像、音楽、すべてが素晴らしく、鑑賞後かなりの時間が経ってもまだ、余韻のさざなみで頭の中がざわざわ。そういう感想を持った人がたくさんいることでしょう。

この映画はこれからも、私の中で大事な存在であり続けると思います。キツイ状況に直面して自分自身に嫌気がさすような時、きっと観たくなるんじゃないかな、という気がしています。

2017年5月 6日 (土)

「バベルの塔」展

夫の職場は9連休、でも息子の幼稚園はカレンダー通り…ということで、遠出の旅に出るわけでもなく、のんびり過ごした今年のゴールデンウィーク。

お天気にも恵まれた憲法記念日は、家族で上野へ出かけました。

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夫と私のお目当ては、前売り券を買って楽しみにしていたブリューゲル「バベルの塔」展

上野駅は展覧会に併せてこれでもか、のバベル推し。飲食店の「バベル盛り」コラボ企画にも若干、そそられましたが、せっかくの五月晴れだったので上野公園でサンドイッチ等を広げました。
この時期ならでは、の気持ち良いランチで腹ごしらえの後、交代で息子の子守りをしながら東京都美術館へ。

当日は、公園の噴水広場前で「子どもブックフェスティバル」が開催中なのを事前にチェック済。本当に助かった(笑)
絵本作家の方々が直々に読み聞かせやおはなし会を開催しているコーナーもあり、息子は息子で存分に楽しんでいました。

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…当然、手ぶらでは帰れるはずもなく、新幹線の絵本を買わされることにはなりましたが…(交通新聞社のブースでは、電車の運転手さんの帽子をかぶれるサービスあり)

オランダのボイマンス美術館からやって来た、ブリューゲルや同時代の作品を観られる今回の展覧会。
ぶっ飛んだ奇想の版画に登場するモンスター(キモカワイイ、の元祖か?)たちが都美術館の回廊を彩っていました。

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一番左、「大きな魚は小さな魚を食う」という諺を元にした版画に登場する愛らしい魚人さんは、ゆるキャラ化して展覧会の公式マスコットとなっていました。

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…特に感想はないです

展覧会の主役である「バベルの塔」。

どれほどスケールの大きな構図(高さ推定500m超!)に、どれほどの情報(塔を取り巻く情景、建築機材や働く人々など)が詰め込まれているか…絵にまつわるたくさんの解説を目にした後で、やっと実物と対峙すると

「それだけのことを、こんな小さな絵の中でやってのけたの!?」

…と、ひたすらブリューゲルの凄まじい超絶技巧に感服するしかありませんでした。

近くに展示されていた、300%の拡大再現図との間を3往復したものの、目がチカチカして実物の細かすぎるディテールを捉えきれなかった、視力の衰えが情けなし。

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こちらは上野駅構内に展示してあった、東京大学レゴ部作成のレゴブロック製バベルの塔。

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2Dの絵画では不可能な「上からのぞき込んで見る」という楽しみ方も出来て、こちらも大変な見応えがありました。

天に届くほどの塔を作ろう、という人間の傲慢さに神が罰を下し、お互いの言葉を通じなくさせてしまったため、塔の建築は頓挫した…という、旧約聖書の物語がモチーフになっている「バベルの塔」。

でも、緻密な絵の世界にぐーっと入り込んで、石灰の粉まみれになり、重いレンガを巻き上げ機で運ぶ所業の一つひとつを見ていくと、ひたむきに目標に向けて頑張っている人々にむしろ愛着が湧いてきて。
これを、身の程知らずの傲慢だと断じて鉄槌を下すとは、神さまもなんと残酷な…と、そんな風に思えてきてなりませんでした。

さて、連休中のもう一つのお出かけイベントは、こどもの日に行った幕張メッセの「プラレール博」。

親子連れで大盛況の会場で、興奮のあまり制御不能になる息子を追い回すのにかなりのエネルギーを使いましたが、これでもか!と広げられつなげられたプラレールの膨大な量に圧倒されました。

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いずれにしても人の手ってすごい、ということを実感させられた日々でありました…

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タ〇ラトミーのマーケティングに次々と調略されている息子(涙)
他の子どもたちは静かに見ているキャラクターのプロモVTRの前で、延々ロボットになりきって謎のアクションを繰り返しておりました…親子で異世界に没入したG.W.であった(笑)

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