西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展
友達と会う約束で久しぶりに渋谷へ出かけたので、気になっていたBunkamuraザ・ミュージアムの「西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展」を観てきました。
フランス革命を挟んだ激動の時代に、ヴェルサイユ近郊の捺染工場が産み出したコットンプリントの数々を目にするのは、とても心躍るひと時でした。
木版の多色刷りによる、鮮やかな花模様や、エキゾチックな果樹や鳥のモチーフ。
銅版の技術が導入されたことで生まれた、細密な絵画のような風景をあしらったテキスタイル。
かのマリー・アントワネットも、プチトリアノンの生活ではジュイの工場から生まれた木綿のドレスを愛用したそうで…
本の装丁に使われた端切れ、という形ではありましたが、実際にアントワネット様が着ていたドレスの布地も見ることが出来て、感動。脳内にベルばらの名場面が巡る、巡る(笑)
どれもこれも、200年以上の時を経ているとは思えないほど洗練された美しさがあり、現代の生活にも取り入れたくなるのが素晴らしい。
イギリスにウィリアム・モリスが生まれる遥か以前に、フランスでこのような伝統的な生地が誕生していたことは、初めて知ったことでした。
17世紀に東インド会社によってもたらされたインド更紗の爆発的な流行が、時を経てフランスで更紗が生産された原点になっています。
そのインド更紗の熱狂は当時の日本にも伝わっており、煙草入れや茶道具のお仕覆に大切にあしらわれているのが展示されていて印象的でした。
布フェチのよろこびは時代や国を超えて通じ合うのね…
この日のランチは会場近くのVIRONで。お代わり出来るバゲットにつられて選びました。
お友達との約束の中身は、CSのスターチャンネルで彼女が録ってくれている「ダウントン・アビー」新シリーズ(NHKに先駆けて放映中だそうです)を貸してもらうこと(笑)
20世紀初頭、イギリス貴族の一族を描くこのドラマが大好きですが、奇しくもこのランチの最中に、イギリスのEU離脱を選択する国民投票の結果が出て、大きなショックを受けました。
世界が今、大きな曲がり角に差し掛かっていることだけは明らかだけれど、その先に何が待っているのか…
ダウントンアビーの登場人物で名言の宝庫であるヴァイオレット様(=マギー・スミス)の
「悪いことが起きたからと言って嘆いていても始まらないわ。被害を最小限に抑えることが最も大事よ」
という台詞をじっと噛み締めています。
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