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2015年2月 1日 (日)

シネマ歌舞伎「二人藤娘/日本振袖始」

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昨年三月に上演された話題の舞台が、シネマ歌舞伎の新作となってスクリーンに登場。
歌舞伎座までの道のりは果てしなく遠い今の私でも、近くのシネコンなら何とか行ける!…という訳で、上映終了間際に滑り込みで鑑賞してきました。

舞台一杯に、藤を描いた銀屏風を広げた中での玉三郎丈の藤娘。
初々しく溌剌とした様子が何ともかわいらしかった、七之助丈の藤娘。
それぞれの踊りを客席で観たのは、もう何年も前のことですが…今も、美しい記憶として焼き付けられています。

そしてこの度、「二人藤娘」としてこのふたりが同時に舞台の上に。
玉さまが尾上菊之助丈と組んだ「京鹿子娘二人道成寺」でも思ったことですが、
「ただでさえ美しいものが、二倍になって出て来た」
…そのことの豪華さ、贅沢さに、まずは圧倒されてしまいました。

同じ振付をぴたりとシンクロさせて見せたかと思えば、睦み合う男女の役になってお酌をしあい、頬を寄せ合い…
その艶めかしさといったら、背筋がゾクゾクするほど。
大好きな映画「暗殺の森」の、有名なレズビアンタンゴのシーンを思い出しました。

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でも、演じているのは本当の女性ではなく女形の役者。女形でしか表現し得ない美、というのを玉さまはずっと追求してきたのだと思います。

今回のシネマ歌舞伎(編集も坂東玉三郎本人)は、舞台の様子と併せて、化粧をしたり衣装をつける様子が映し出されるのですが、幕が上がる前に集中を高めていく姿、舞台を下りて、素のままの背中を見せて楽屋へ戻って行く様子など、華やかさの裏側をあえて見せたところに、女形の美は役者の努力によってゼロから造り上げられる表現なのだ、というメッセージが含まれていると感じました。

引き続いて始まる「日本振袖始」は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治する伝説がモチーフになった舞踊。
元は近松門左衛門が作った文楽ということで、昨年は文楽の島根公演でも上演されたそうです。出雲神話の本場で見てみたかったなぁ…。

今年の歌舞伎座のお正月公演では、「蜘蛛の拍子舞」でクモ女を舞っていた玉さまですが、本作ではヘビ女。
姫の姿をしていても本性は大蛇、という前半部分の妖しさ、眼つきやちょっとした首の動きで、やっぱり人間じゃない!と思わせる恐ろしさ…
客席のこちらは、カエルのように魅入られてすくんでしまいました。

後半、恐ろしい隈取りをして八つの首を持つ大蛇に変化する、歌舞伎ならではの見せ方も面白かったのですが、衣装変えの間に長唄の大薩摩が入っていて、これがまたとても迫力があり聴き応え十分。

歌舞伎の伴奏は座って演奏するのが普通ですが、大薩摩は唄方と三味線が並んで立ちます。
三味線の人は、木の台の上に片足を置いて、膝に三味線を乗せて爪弾くのですが、その様子で速弾きするカッコよさといったら、ギターアンプに足を乗せたギタリストさながら!でした。

歌舞伎の面白さは、本当に奥が深くて豊かだなぁ、と思います。スクリーンで観る楽しみというのも、今ではすっかり定着した感がありますし、今の私のようになかなか生の舞台を観られない身にとっては貴重な機会だと実感しました。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

私もこの映画を見ましたが、ブログには書かずじまいです。サリィさんのようにはとても書けません。文章力に脱帽です。
「二人藤娘」はただただきれいで、「日本振袖始」は迫力満点でしたね。玉三郎の表情に魅入られました。勘九郎と米吉さんも良かったです。
土曜日に行ったのに、映画館はがらすきで、もったいないなあと思いました。

>1go1exさん

きっとご覧になっただろうなぁと思っておりました。プロのライターさんに身に余るお褒めの言葉をいただいて、恐縮してしまいます。
お目当ては藤娘の方だったのですが、「日本振袖始」が想像以上に面白くて、のめり込んで観てしまいました。そうそう、米吉さんの可憐さもとても印象的だったし、勘九郎さんはあのような凛々しいお役が本当にはまりますね。
シネマ歌舞伎、チケットの値段が割高な上、各種割引サービスの対象外というのはちょっと残念というか、歌舞伎の間口を広げるならもう少し柔軟性があってもいいように思います。

私も見てきました。
二人藤娘は綺麗な上に、息もぴったりで、お酌しあうところは、本当に色っぽく、素敵でした。
玉三郎は音と戯れ流れるように踊り、七之助は音に合わせてリズミカルに踊る、そんな印象をうけましたが、本当に素晴らしい!!
日本振袖始は、迫力満点でしたね!!舞台より映画はドアップにもなるので、その表情も手にとるようにわかり、これもまた良い。さすが玉三郎様監修だけのことはあります。
大薩摩はの長唄は、・・・いつかさりさんにお付き合い頂いた友人の長唄の会のお師匠である、杵屋勝四郎さんだと思います。声が素晴らしいので大迫力ですよね!!三味線もお見事で、映画のスクリーンに向かって私は拍手拍手でしたわん!!映画なのに、夢の世界に連れて行ってくれた貴重な時間でした。

>NCさん

そうそう!勝四郎さん、「THE家元」のヴォーカルだったあのお師匠さんですよね。
長唄の会で拝見したことを記事にも書くつもりで失念しましたが、あの時のことは今も、よく覚えております(おかげで国立劇場の舞台裏や楽屋にも入れましたし、貴重な体験をさせていただきました)。
舞台に出ずっぱりでお弟子さんたちの発表に合わせる声量、スタミナにびっくりでしたが、この時の大薩摩の伸びやかな唄も素晴らしかったですね。
(ちなみに、息子さんはジャニーズJr.らしいですよ…!)

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