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2015年2月23日 (月)

アカデミー賞

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月曜日は休暇を取っており、息子を保育園に送り届けて大急ぎで所用を済ませ、アカデミー賞授賞式を観ていました。

WOWOWに加入して10年余、2月末恒例のお楽しみになっているレッドカーペットウォッチング。

去年あたりから、白のタキシードを着るスターが増えてきた印象(一歩間違うと昭和の演歌歌手か漫才師になるチョイスですが、去年のマシュー・マコノヒーといい今年のベネディクト・カンバーバッチといい、さすがの着こなしでした)。

一方、女優陣には赤のドレスを選ぶ人が目立って、日本人の感覚では紅白歌合戦を連想してしまったり(笑)

「かぐや姫の物語」が受賞を逃したのは残念でしたが、今年は大好きなジュリアン・ムーアが下馬評通り、主演女優賞を獲得したのがうれしかったです。

写真は、2010年に香港を訪れた時に撮った1枚。
日曜日、セントラル駅の周辺は、大勢のアマ(メイド)さんが路上に集合し休日を過ごすことで有名です。
(返還前に旅した時はフィリピン人が殆どだったのが、この頃にはインドネシアからの出稼ぎらしき女性も増えていて、時代の変化を感じました)

当時、ブルガリの広告キャンペーンに起用されていたジュリアンの写真が、どのシリーズも本当に美しくて大好きでした。この時も壁面の巨大広告に思わずカメラを向けたのだと思うのですが、働く女性を女神が見守るような、不思議な構図の1枚に。

ブギーナイツ」「ことの終わり」「めぐりあう時間たち」…まだオスカーをもらったことがないのが意外(だってあの人がもらっているのに…以下自粛)なほど、素晴らしい仕事を残している彼女。
近作の「キッズ・オールライト.」では年齢相応の、あっちこっちダルダル、しわしわになった所を惜しげもなくさらしていて、そんな潔さも好きです。
今回受賞した主演作「アリスのままで」も、いつか必ず観てみたいと思います。

アカデミー賞の授賞式では、毎年必ず、物故者の追悼コーナーが設けられます。
今年は、メリル・ストリープがスピーチをしていました。その中で、ジョーン・ディディオンという詩人が書いた

'A single person is missing for you and the whole world is empty.'

という一節を引用し、私たちの人生を満たしてくれた多くの才能ある人々を失って、空虚を感じずにはいられない、という意のことを語っていました。

この「空虚」~emptiness、という言葉を聞いて、前日から重くのしかかっていた哀しみを改めてかみしめました。59歳の若さで急逝された、坂東三津五郎丈のことです。

まだ子どもだった頃、NHKの朝ドラ「おていちゃん」に出ていた八十助さんのファンになりました。司会をされていた「ワーズワースの庭で」という情報番組も大好きだったし、古畑任三郎の最高傑作は三津五郎丈が犯人の棋士を演じた回だと思っています。
襲名の前後に私生活で波風が立ったことを、口惜しいような歯がゆいような、そんな思いで受け止めていました。

踊りについては何の知識も持ち合わせない素人目にも、端正で、それでいて指先まで自由に、心のままに操る動きの美しさは伝わりました。
私が生の舞台を観た最後は、奇しくも香港旅行と同じ2010年。
演目は長男・巳之助さんとの「連獅子」でした。

授賞式の中継が終わった後、舞台の合間をぬって行われた巳之助さんの会見を見ました。
飄々とした柔らかい物腰の中にも、丁寧に選ばれた言葉で、取り乱すことなく応答する様子。立派になって…と、親戚のおばちゃんスイッチが発動し、また涙、涙。

歌舞伎界はあちらもこちらも、後ろ盾の師匠を亡くした若者ばかりになってしまって、これはいったいどういう思し召しなのか。茫然としてしまいます。
次世代の若手が奮起して歌舞伎界を支えて…というのは簡単。
でも、唯一無二の存在が欠けてしまったら、結局のところその穴は虚ろなまま、決して埋まることはないのです。
長い時間をかけて、開いてしまった穴の場所が記憶から薄れていくまで、寂しさを堪えていくしかないとわかっていても…本当に、残念という言葉しかありません。

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今日のつぶやき」カテゴリの記事

コメント

本当に、どうしてこんなにも次々とうまい役者さんが亡くなってしまうんでしょう。新しい歌舞伎座が人柱を求めているのか? などと思ってしまいます。
雀右衛門、芝翫、富十郎、までは高齢でいらしたのであきらめがつきましたが、勘三郎、團十郎、三津五郎は惜しすぎます。
いよいよこれから大輪の花を咲かせるという世代の人が相次いで亡くなってしまって、若い役者さんたちは誰に芸を教わればいいんでしょう。
若手の人たちは頑張ってはいるようですが、道は険しいでしょうねえ。歌舞伎界は難しい時期を迎えていると思います。

>1go1exさん

三津五郎丈がすい臓がんを公表された際、ご自分でも
「これは、いったいどういうことなのかな、と・・・」
と話されていたのを記憶しています。その時も「まさか」という気持ちでしたが、お芝居の神様がそこまで残酷な訳はない、と信じたかったのですが…
新しい歌舞伎座にいつか行ける日が来たら、と楽しみにしていた気持ちは、一連の不幸でどんどんしぼんでしまいました。
一方で、観られる時に観ておく、ということの大切さを、しみじみ実感しています。
肉体の芸術って辛いね、と勘三郎丈の葬儀で遺影に語りかけた、三津五郎丈の言葉を思い起こすと、本当に切ないですよね。

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