「しばり」と「とごり」
この冬、息子はまだ重い風邪をひくこともなく、元気に保育園に通ってくれていて、親としては本当にありがたいことです。
水痘の予防接種を除けば、最後に小児科のお世話になったのは12月初めのこと。
実はそれも、体調不良と言っていいのかどうか、後から考えてもよくわからないのですが…
ある朝、いつも通りの様子で起きてきた息子を着替えさせていると、なぜかソファにつかまって片足立ち。
普段はしない動作でしたが、その時は、フローリングの床が冷たいのかな?位に考えて、保育園にも「体調は変わりなく元気です」とお伝えして預けました。
ところが1時間も経たないうちに、先生から電話で
「ちょっと様子がおかしいです。いつも元気にお部屋を歩き回るのに、ハイハイで移動しています。足に異常があって立てないのではないでしょうか?さわっても痛がったりはしませんが…」
…という連絡をいただきました。
思いもよらない事態にアタフタの私、同僚も心配して、病院の情報など色々アドバイスをしてくれました。
怪我するような出来事はなかったはずなのに、一体何が?と途方にくれながら早退の準備をしている私に、皆がかけてくれた言葉が
「しばりじゃない?」
というものだったのです。
初めて耳にする言葉にキョトン、の私。それって全国共通の言い方じゃないの?とビックリの一同。
ちなみにしばりというのは棘のことだそうで、しばりがたった、という言い方をするそう。要するに、足の裏に何かが刺さっていて立つと痛いのでは?と言ってくれていた訳です。
電話で問い合わせたいくつかの整形外科は、息子の年齢を伝えると“小児科のある大きな病院へ行ってください”という回答で、総合病院を受診しました。
結果は…
小児科「何も刺さっていないようだし、最近高熱を出すような事はなかったなら菌の影響などではないでしょう。股関節に何かあるのかな?整形外科で診てもらったら何かわかるかも」
整形外科「股関節の動きに異常は無いし、触られて痛がらないのは異常がない証拠です」
結局、レントゲンさえ撮らず「今は立ちたくない気分、ということでしょう!」二三日様子を見たら大丈夫じゃないですか、と言われて帰宅したのでした。
右足を床につけたがらない状態はしばらく続きましたが、食欲やご機嫌は快調で、そのうち何事もなかったように歩けるように。
いったい何だったんだろう?という謎と、「しばり」という米子弁の知識を残して事態は収束したのでした(苦笑)
以前住んでいた三重でも、何を言われたのかとっさにわからず、「これって標準語じゃなかったの?」と驚かれた経験は度々ありました。
中でも印象的だったのは「とごり」。「とごる、とごっとる」とも言うのですが、液体の中で何かが沈殿している状態を指すのだそうで…
語感があまりにもしっくりはまっているので、溶け残っている、というよりこちらの方を普及させたいと思うほど(笑)
息子が再び歩き出したことを心から喜んでくれた周囲の皆のように、土地の言葉を教えてくれたのは、その時々で親身になってくれた、お世話になった人たち。
こうして振り返ると、あらためて住む先々でいいご縁に恵まれたことを実感します。
あっという間に過ぎていった1月。お正月にお嫁業務をこなした私を気遣って、義妹がかわいいお菓子を差し入れしてくれました。干支にちなんだダルマさんのクッキー、月末が賞味期限だったのですが、もったいなくてギリギリまで食べられず…(^-^;
たくさんのやさしさに支えられて、日々を送っている私。感謝、というほかありません。
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