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2013年3月 5日 (火)

ライフ・オブ・パイ

130303movie
アン・リーは大好きな映画作家なので、この作品で今年のアカデミー賞の監督賞を獲ったというのは嬉しいニュースでした。
本当は授賞式の前に観ておきたかった映画。今さらながら鑑賞してきて、期待以上の濃密な映画体験に酔いしれました。

(残念ながら山陰では2D上映しかなかったのですが、3Dがちょっと苦手な私でさえ“この映像が飛び出してきたらどんなに凄かったか…”と思ってしまった程)

映画の序盤、主人公が故国のインドで過ごす幼少期の描写から、不思議なおとぎ話を聞いているようで、それから?それから?と子どものようにのめりこんでしまいました。
そこで登場する出来事の数々、宗教観や死生観が、後々の展開にきめ細かく反映されていく構成が素晴らしかった。

映画の大部分は、カナダへの移住を決意した主人公一家を悲劇が遅い、副題どおり主人公が「トラと漂流した227日」を送ることになる、洋上の描写で占められます。
朝焼けや満天星の夜、そして嵐に至るまで、次々に移り変わる海の情景の美しかったこと。
観ていて、時折涙がにじんでしまったほどでした。

映像美と、手に汗握る冒険譚にのめりこんでいると、終盤になって、そのお話の裂け目から「もう一つのストーリー」が透けて見えてくる。
途端に、様々な出来事の解釈がオセロのように違う色合いを見せる…という、余韻を残しまくる幕切れに唸りました。

「物語は人を救う」ということを深く考えさせられた、見応えのある映画でした。ただし、ミーアキャットが苦手な方には絶対におすすめしません。

******

映画の主人公の名「Pi」は、風変わりな本名をからかわれることに耐えられなくなった彼が、自分でつけた呼び名。(少年時代を演じた子役は、どことなく綾野剛に似ていたと思うのは私だけ?)その顛末を観ていて、ふとこの本のことを思い出しました。

寡作ですが、存命の海外作家の中では一番好き、と言っても過言ではない、ジュンパ・ラヒリの「その名にちなんで」 。
父親から、ロシア人作家に由来する「ゴーゴリ」という名をつけられたインド系の主人公の半生を、移民として生きる家族の年代記を通して淡々と綴っていく長編。
読み返すたびに味わい深い発見があって、人生を紡いでいくことの奥深さをしみじみと思わせてくれる一冊です。

それにしても名付けって、当事者になってみると本当に悩ましくて難しくて、大変です(苦笑)

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