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2012年10月14日 (日)

籠釣瓶花街酔醒

111014cinemaシネマ歌舞伎の最新作、「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」を鑑賞してきました。
中村勘三郎、坂東玉三郎、片岡仁左衛門と、人気役者が顔を揃えた「歌舞伎座さよなら公演」の舞台を収録したもの。
玉三郎サマの演じる遊女「八ツ橋」の花魁道中が序盤の見せ場。
豪華な打ち掛けに高下駄でしゃなりしゃなり、まな板帯には名前にちなんで、群れ咲く杜若の花に掛かる八ツ橋が描かれています。
田舎商人の次郎左衛門(勘三郎)は、初めて訪れた吉原で偶然、このきらびやかな道中に出逢います。
八ツ橋のあまりの美しさに衝撃を受けているところへ、追い討ちをかけるように、すれ違っていく彼女が一瞬、笑いかける。
これが運命の別れ道で、次郎左衛門は一気に恋の虜になってしまうのです。
この「見染めの場」での八ツ橋の微笑みというのは、女形のしどころとして有名な場面。
他の役者さんでも見た事がありますが、あまりにも
「さあ、今から笑ってご覧にいれますよ」
という気合いが透けて見えるのも興醒めなもの。
その点、つぼみの花が咲きこぼれるような玉三郎サマの笑顔の美しかったこと。心が込もっているのかいないのか、どちらとも取れる曖昧さも含めて、ホオッと溜め息をつきながら見とれてしまいました。
この表情といい、衣装の細部といい、劇場の安い席(苦笑)では捉えきれない美しさを、大画面で堪能できるのはまた、贅沢なことです。
物語は、八ツ橋に入れあげた次郎左衛門が吉原に通い詰め、ついに身請けの相談までするようになったもものの、様々な周囲の思惑から、世にも無残な失恋をすることに。やがては流血の悲劇へと突き進んでいきます。
大勢の注目を浴びながら、思いも寄らない愛想尽かしをされる次郎左衛門。
惨めさの極みにいる人の耳に、遠ざかっていく人の足音は、こんな風に切なく響くのか…
と、サワサワと畳に足袋が擦れる音を聞きながら思いました。
これもシネマの音響効果かもしれません。
中村屋は、お父さん(勘三郎)も息子(勘九郎)も、泣きながら熱演すると一緒に鼻水も出てきちゃう体質なんだなあ…と、これはあまり大画面で確認したくはなかったような(汗)
色里の女として、そういう風にしか生きられない八ツ橋の気持ちもわかるし、次郎左衛門が真面目で温かい心の持ち主だということもわかるし、でもあばた面の次郎左衛門と、水もしたたるいい男である恋人(仁左衛門)じゃあ、初めから勝負はついてるよなぁ…とも。
伝統芸能のお芝居には、時に「どうしてそこでこうなる??」と理解に苦しむ筋書きのものもありますが、この物語に関しては、何だかいろいろな人の気持ちが妙に理解できてしまって、だからこそ哀しい顛末が辛いです。
一目惚れゆえに陥った、人生の落とし穴。人の一生なんて、たった数秒の出来事で大きく変わってしまうのですね。 (惚れっぽいタイプの私も気をつけなければ…(;´▽`A``)

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