ひな祭りの着物
雛人形は実家に置いたきり、この頃はちらし寿司も蛤のお吸い物も作らなくなってしまって、ひな祭りの行事はすっかりわが家とは無縁のものになっています。
でも今年は、たまたま出かける予定もあったので、桃の節句に合わせておめかししてみました。
薄紫の角通しの江戸小紋に、水玉刺繍の名古屋帯。帯締めは紫とベージュの二色使いになっている丸唐組です(何だか写真のピントが合っていません、ついにカメラも換えどきでしょうか…つД`))。
知り合いから譲っていただいたものの、あまりにピンク!な感じに気後れして奥にしまいこんでいた、飛び絞りの帯揚げ。初めて使ってみました。
チラリとのぞく花くらいなら、アラフォー女子(失笑)でも許されるかな?桃の花じゃなくて完全に梅ですけど…
先日読んだ、宮尾登美子さんの「錦」の中で印象的だった、登場人物の言葉。
女が着物着るとき、何が嬉しいか判りますか。
帯結ぶときどすえ。
体に巻きつけてうしろで引抜き、きゅうと締めあげるとき、何ともいえん心地どす。
襦袢着て腰紐で決め、その上に伊達巻まいてぽんと胸叩く、『さあこれでどんなええ帯でもかかっておいなはい、わての体が待ってまっせ』て、こんな気持どすなあ。
そして好きな帯をまたぎもって体に巻きつけるとき、ほんまにええ心地どすわ。
結び終えて鏡で眺め、ぴったり形良う仕上ってたらとびとびしたいほど嬉しおすやんか。
昨年末からの引越し騒動で、気がつけば着物に袖を通すのは4ケ月ぶり。
やっぱり細かいところで段取り悪く、戻ってはやり直しも度々でした。
そんな私でも、着付けの手順で一番好きなのは、帯を結び終えるあの瞬間かも…と思います。
最後の一行、この感覚わかるなぁ…(わぁ、ひん曲がってる!と焦ることの方が多いけど)。
今のマンションは和室があって、着たり畳んだり、ということが以前よりしやすくなった分、怠けずに着物とのお付き合いも続けていきたい…と改めて思いました。
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とってもすっきりして洗練されたひな祭りの装いですね。
帯揚げ、全然派手じゃないですよ。
赤い色がちらりとのぞくのは、ちょっと色っぽくて魅力的です。
私も最近、機会がなくて、着物を着ていないんです。
歌舞伎や文楽の観劇も、一人で行くときは洋服で行ってしまいます。
やっぱりギャラリーがいないと(笑)、着物を着ようという気になれません。
写真も撮ってもらいたいですしね。
(自分撮りはいまだに下手なので)。
投稿: 1go1ex | 2012年3月 4日 (日) 18時01分
>1go1exさん
わぁ、とっても嬉しいコメントの数々、本当にありがとうございます!
着物で一緒にお出かけする友達とも離れてしまったし、空模様も雪やら雨やら…という季節が続き、すっかりモチベーションが下がっていたので、背中を押していただいたような励みになりました。
ギャラリーがいないと…というお気持ち、わかります。
自分撮り、私も相変わらず上達しないので、セルフタイマーを使ってみました(笑)
投稿: サリィ | 2012年3月 5日 (月) 15時01分
着物姿もすっかり馴染んできたって感じですね~。いつも上品に着こなしているなと感心してますし、ちょっと羨ましいです。
今年はひな祭りに京都の三十三間堂に行って来ました。三月三日は毎年拝観料も要らない様子で、その日限定のお守りやおみくじもあって、特別感がありました。(まったく偶然行ったんですが)
千体の千手観音にはすべてお名前があるんですね、1番目の第一尊から1000番目の紀極尊まで名前を考えるだけでも結構大変だったろうなと思うと同時に圧巻の光景に魅了されました。何度か訪れている京都ですが、今回も新たな発見がありました。年中葉山通いをしているんだから、今度は鎌倉の街歩きでもしてみようかな~?
投稿: NC | 2012年3月 6日 (火) 13時41分
>NCさん
お褒めのコメントありがとうございます。着物道はケモノ道・・・色々コワさもありますが、思い立ったらいつでも自分ひとりで着られるようになったのは、やっぱり良かったなと。(今度、葉山の着付け教室情報をお知らせします、ご興味があればぜひ!)
三十三間堂、じっくりお堂で観音さまと向き合っていると、時間を忘れますね。なかなか足を運べないものの、京都の中でも好きなスポットです。三月三日がそんなスペシャルデーだったとは…いい経験をなさいましたね~、うらやましい。
古都の街歩き、NCさんの嗅覚で素敵な場所を発見してください!
投稿: サリィ | 2012年3月 6日 (火) 22時18分
4か月ぶりに着物をお召しになったのは、お引越しの忙しさがやっと落ちついたからでしょうか。
いつもながらすっきりとした着こなしがサリィさんらしい。飛び絞りは、京都でわりと愛用されているようですし、帯揚げの決まらないときに便利なものですね。ピンクにおじけずにどんどんお使いになったらと思います。
宮尾さんの「錦」、最近ほかの方からもご紹介いただいたところです。このさい読んでみようかな。
投稿: 935うさちゃん | 2012年3月 7日 (水) 00時19分
>935うさちゃんさん
「すっきりと」と言っていただけてとても嬉しいです。なるべくそういう感じで着たいと心がけているポイントなので…
飛び絞りの帯揚げ、綸子というのもちょっと使うのをためらっていた理由なのですが、皆様に背中を押していただいて(笑)これから愛用していきたいと思っています。
「錦」、主人公は相当業が深い人物でビックリしたところも多々ありました。龍村の織物に関する知識があまりなかったので、ほぉ、ほぉと興味深く、一気に読み進めましたが…
投稿: サリィ | 2012年3月 7日 (水) 22時00分