侍タイムスリッパー
口コミで評判がひろがって、単館から全国に公開規模が拡大したという話題の映画。この感じ、数年前の「カメラを止めるな!」を思い出します。あの時も、予備知識をシャットダウンして映画館に行ったら本当に面白かったので、今回も同様の驚きを期待し、ほとんど事前情報を入れずに鑑賞しました。
とはいえ、タイトルやポスターから「こんな感じのお話なのかな?」と予想もしたのですが、本作はその全てを気持ちよく上回って来て、最高に楽しい時間を過ごすことが出来ました。
設定や筋運びの妙、そして主演の山口馬木也さんの「カッコ良さ」と「かわいさ」の絶妙なバランス。脇を固める俳優陣はメジャーな顔ぶれではないけれど、それぞれが役に見事にはまっていました。
そして、所々で見られる、この監督の独特の「間」にすごく惹き込まれる瞬間。ポンポンとテンポよく進むところと、えっ?と固唾をのむほどためる演出のコントラストがとても独特で、面白かった。随所に出てくる忘れられない台詞も含め、脚本も撮影もあれもこれもやって米農家との二足のわらじとは、世間にはすごい人材がいるものですね…
真田広之さんの「SHOGUN」がエミー賞を獲り、その感動的な受賞スピーチの記憶も新しい中、こんなに心を動かされる時代劇が大当たりするなんて。
ぜひぜひ、もっとたくさんの人にこの映画に出会ってほしいです。観終わって、心が素直に前を向ける作品でした。
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